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申請・相続・遺言・離婚・後見・終活など、書類や手続きは当事務所にお任せ下さい。相談・助言・見積り無料。電話0562-46-4467留守録の折は、お名前とご用件をお願いします。または無料相談室まで。(2023/09/24行政書士西村伸)

 

日銀はYCC上限を0.5%⇒1.0%に修正/セオリー(日銀の思惑)では円高へ/しかし円安はむしろ進行の気配2023/11/03 (11/05注釈追加)
当面の金融政策運営について
日本銀行2023/10/31付(一部補足)
1.日本銀行は、本日10/31の政策委員会・金融政策決定会合において、長短金利操作の運用をさらに柔軟化することを決定した。具体的には、長期金利の目標を引き続きゼロ%程度としつつ、その上限の目途(めど)を1.0%(注:これまでは0.5%)とし、大規模な国債買入れと機動的なオペ運営を中心に金利操作を行うこととする。こうした運用のもとで、日本銀行としては、粘り強く金融緩和を継続する方針である。(注:日銀は市場の長期金利を抑えるため無制限に国債を買い入れる「指し値オペ」を実施する水準を「0,5%を目途・事実上の上限1%」から今回「1%を目途」に修正することを決めた。これから日本の長期金利は事実上1%を超えるため、金融機関では11/1付で定期預金やローンの利率を上げたところが多い。安全な資産運用先として定期預金や変動10年国債をお勧めできる環境になってきたとも言える)。

 

長短金利操作、資産買入れ方針については、以下のとおりとする。
(1)長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)
次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針は、以下のとおりとする(全員一致)。
●短期金利:日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用する。
●長期金利:10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債の買入れを行う
●長短金利操作の運用(賛成8反対1)
長期金利の上限は1.0%を目途とし、上記の金融市場調節方針と整合的なイールドカーブの形成を促すため、大規模な国債買入れを継続するとともに、各年限において、機動的に、買入れ額の増額や指値オペ、共通担保資金供給オペなどを実施する。
反対:中村委員。中村委員は、長短金利操作の運用をさらに柔軟化すること(注:事実上長期金利が1%に上がる=タカ派的政策)については賛成であるが、法人企業統計等で企業の稼ぐ力が高まったことを確認したうえで行う方が望ましいとして(注:よりハト派の立場から)反対した。
(2)資産買入れ方針(全員一致)
長期国債以外の資産の買入れについては、以下のとおりとする。
●ETFおよびJ-REITについて、それぞれ年間約12兆円、年間約1800億円に相当する残高増加ペースを上限に、必要に応じて、買入れを行う。
●CP等は、約2兆円の残高を維持する。社債等は、感染症拡大前と同程度のペースで買入れを行い、買入れ残高を感染症拡大前の水準(約3兆円)へと徐々に戻していく。ただし、社債等の買入れ残高の調整は、社債の発行環境に十分配慮して進めることとする。

 

2.わが国の物価情勢を展望すると、物価見通しは7月の展望レポートと比べて上振れているが(注:とっくに金融緩和を止める目安の2%を超えているという指摘があるが)、その主因は、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響が長引いていることや、このところの原油価格の上昇である。消費者物価の基調的な上昇率は、見通し期間終盤にかけて、2%の「物価安定の目標」に向けて徐々に高まっていく(注:イレギュラーな要因を除くと、まだ2%の目標を達成していないと日銀は言いたいらしい…)とみているが、その際には賃金と物価の好循環が強まっていく必要がある(注:賃金が上がらないと大規模金融緩和/マイナス金利を止めたくてもできないとの示唆日銀は春闘での賃上げに期待?金融緩和を止めるのは早くて2024年4月との示唆?)。

 

日本銀行としては、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」のもとで粘り強く金融緩和を継続することで、経済活動を支え、賃金が上昇しやすい環境を整えていく方針である。引き続き、「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現という観点から、賃金と物価の好循環など経済・物価情勢の変化を丹念に確認していく。また、内外の経済や金融市場を巡る不確実性がきわめて高い中、今後の情勢変化に応じて、金融市場で円滑な長期金利形成が行われるよう、長短金利操作の運用において、柔軟性を高めておくことが適当である。この点、現在の状況において、原則として毎営業日1.0%の利回りで連続指値オペを実施し、長期金利の上限を厳格に抑えることは、強力な効果の反面、副作用も大きくなりうると判断し、大規模な国債買入れと機動的なオペ運営を中心に金利操作を行うこととした(注:市場をゆがめる指値オペは出来ればしたくないということ)

 

3.日本銀行は、内外の経済や金融市場を巡る不確実性がきわめて高い中、経済・物価・金融情勢に応じて機動的に対応しつつ、粘り強く金融緩和を継続していくことで、賃金の上昇を伴う形で、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現することを目指していく。「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。引き続き企業等の資金繰りと金融市場の安定維持に努めるとともに、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる(注:毎度おなじみの結句に今回も変化なし)

 

重要必要になった時それが無かったら/誰でもいずれ必要になるのに「今必要ないから私は関係ない」と考えてしまう怖さ2023/10/31
先細る訪問介護事業、関心を持って
朝日新聞2023/10/30付「声」投稿欄(訪問介護を利用中の68歳男性)
東京商工リサーチの調べによると、今年2023年1月から8月までの訪問介護事業者の倒産件数が、東京都だけで過去最多の44件に上った。コロナ禍で進んだヘルパー不足に加え、事業者の主な収入である介護報酬は法定価格のため、物価高によるコスト増への対応が難しいことなどが理由だという。

 

訪問介護を利用している私にとって、ヘルパーさんの訪問介護は「頼みの綱」であり、無ければ生活は成り立たない家事援助、入浴介助、身体介護など、要介護者と家族が自宅で暮らすのに必須のサービスを受けて、どうにか生活が成り立っている。それが受けられなくなるかもしれない極めて深刻な状況になりつつある

 

高齢化が進む時代にこのまま介護事業が先細り、担い手が居なくなったら、現役世代も引退世代も皆、誰も安心して働けなくなる。両親や家族、そして自分にケガや病気などあった時、実際に家に来て助けてくれる介護事業者が無かったら、自分やご家族はどうなるか想像してみてほしい

 

「介護事業の保護/助成、働き手の待遇改善」は先送りできない深刻な問題であり、行政は早急に対策を講じてほしいまた、現役世代の皆さんにも、この問題に関心を持ってほしい行政に対策を求めるとは、つまり私(あなた)たちの税金を介護事業に使ってほしいということだ。税金を特定の事業に使ってほしいというと「自分には関係ない、介護など将来のこと」と途端に無関心になってしまう人もいるだろう私もかつてはそうだった。だが私のように無関心でいると、実際に助けが必要な立場になってから、しっぺ返しを食らうことになる。

 

選挙で選ばれた人、介護の現場を見て
朝日新聞2023/10/30付「声」投稿欄(82歳女性)
9月24日の「声」の「訪問介護の待遇、本気で見直して」を拝見しました。私の家は、86歳の夫と82歳の私の二人暮らしです。商店街で豆腐店を営んでいましたが、やめて11年になります。今も昔のお客さんたちが出入りしてくれて、色々な話を聞けます。先日は年長の方から、年上のご主人のために「訪問介護のヘルパーさんを頼み、とても助かっている」と聞きました

 

私たちは今は元気ですが、いずれヘルパーさんのお世話になる時がくるかもしれないと考えています。ただ「あまりに賃金が安くて生活出来ず、人が集まらない」との投稿を読み、私たち高齢者でまだ動ける者は、ヘルパーさんにあまり負担をかけないよう、健康で居なくてはいけないとも思いました。薄給でこれ以上の重労働をお願いしては、あまりに心苦しく、申し訳ないことです

 

選挙で選ばれた人たちは、本当に国民のことを考えている人たちなのかと思えてきます。他人のために汗水流して働いてくれる人たちが居て、この国が成り立っているのです。外国の視察よりも、介護現場で働く人たちを実際に見たら、給料をもっと上げるべきだと考えるでしょう

 

訪問介護で働く人たちが生活していけるよう、待遇の見直しを本気で考えてほしいと思います。

1ドル151円を目前に「中東からの凶報」に一息つけた形の日本円/世界市場で日本円は未だ「リスクオフ(安全)な資産」の扱いであることに安堵/来週(10/30週)はイベント目白押し、FOMC(据え置き?)も日銀会合(YCC上限修正?)も…どうなる日本円2023/10/29  
NYマーケットダイジェスト2023年10月27日/株軟調・原油高・円高
ヤフーファイナンス2023/10/28付(一部補足)
[1] 27日終値(△はプラス、▲はマイナスを表す)
ドル・円相場:1ドル=149.66円(前営業日比▲0.74円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.13円(▲0.73円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0565ドル(△0.0002ドル)
ダウ工業株30種平均:32417.59ドル(▲366.71ドル)
ナスダック総合株価指数:12643.01(△47.40)
10年物米国債利回り:4.83%(▲0.01%)
WTI原油先物12月限:1バレル=85.54ドル(△2.33ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1998.5ドル(△1.1ドル)

 

[2] 各市場の動き
ドル円は4日ぶりに反落(円高)。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視している9月米個人消費支出(PCE)コア・デフレーターが前年比3.7%上昇と市場予想通りの(インフレ鈍化=来週のFOMCで米政策金利は据え置きになるのではという)結果となったことが伝わると、全般ドル売りが先行した。さらにイスラエル軍の報道官がパレスチナ自治区ガザへの地上作戦を「今夜拡大する」と表明すると、ダウ平均が一時450ドル超下落。ナイト・セッションの日経平均先物も510円下落し、リスク・オフの円買い(ドル売り)を促した。3時30分過ぎには一時149.46円と日通し安値を付けた。なお、市場では「日銀が来週の金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正に動くのではないか」との見方も出ており、(円買いドル)売りが出やすい面もあったようだ。

 

ユーロドルはほぼ横ばい米物価指標の結果が伝わると米インフレ鈍化が意識されて(米政策金利が据え置きになると予想され)、全般ドル売りが先行。一時1.0597ドルと日通し高値を付けた。なお、中東カタールの衛星放送局アルジャジーラが「カタールの仲介で、イスラエルとハマスは停戦協定の実現に向けて急速に交渉を進めている」と報じると、中東情勢への懸念が和らぎユーロ買い・ドル売りを誘った面もある。ただ、節目の1ユーロ1.0600ドル手前では戻り売りなどが出たため上値は限定的だった。また「イスラエル軍はガザでの地上作戦を拡大」との報道を受けて、ガザ停戦への期待がはく落したことも相場の重し。3時前には1.0557ドル付近まで押し戻された。

 

ユーロ円は反落(円高)中東情勢が一段と悪化するとの警戒感が高まり、ダウ平均や日経平均先物が軟調(下落)に推移すると、リスク・オフの円買いが優勢となった。3時30分過ぎには一時1ユーロ157.89円と日通し安値を更新した。

 

米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、3月28日以来約7カ月ぶりの安値を更新した。カタールが仲介役となり、イスラエルとハマスの間で人質解放の交渉が進み、地政学リスクが和らぐとの思惑もあったが、イスラエル軍報道官が「ガザへの地上作戦を拡大する」と表明すると中東情勢が一段と悪化するとの警戒感が高まり、リスク回避の(米株)売りが膨らんだ。ただし個別に悪材料が出たシェブロンやJPモルガン・チェースが売られ、指数を押し下げた面もある。一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発。予想を上回る決算を発表したアマゾン・ドット・コムが大幅高となり、相場を下支えした。

 

米国債券相場で長期ゾーン(長期金利幅)は小幅ながら続伸。米物価指標の結果が伝わると米インフレ鈍化が意識されて(米債)買いが入ったものの、上値は限定的だった。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に様子見ムードが強まり、大きな方向感は出なかった

 

原油先物相場は反発。イスラエルとハマス停戦への期待が高まりつつあったものの「イスラエルはハマスが求めた長期停戦に応じなかった」「イスラエルはガザ地区からの通信を遮断し、開戦以来最も大規模な攻撃を開始」と伝わり中東の石油供給に対する不安を高めた。原油相場は買いを強め24日以来、3日ぶりの86ドル回復をうかがう様相となった。

 

金先物相場は3日続伸。イスラエルとハマスの停戦期待から下振れる(下落する)場面もあった。しかしダウ平均が下落し、底堅く寄り付いたナスダック総合が上昇幅を縮小するなど米株は重い動き。安全資産とされる金に買い戻しが入り、小幅プラスで週の取引を終えた。

重要「無縁社会」現状でも30人に1人が無縁仏/自分が死んだ後の後片付け(死後の手続き=死後事務)を頼める人がいない人は今後ますます増える生前に行政に後片付けを頼める仕組み(自治体と死後事務委任契約を結べる仕組み)が必要では?2023/10/26
行政が(公費で)葬祭費負担、過去最多の5万件超「無縁遺骨」保管場所も不足
朝日新聞2023/10/23付(一部補足)
資産や身寄りがない人の葬祭費を、公費で負担するケースが増えている。昨年度(2022年度)は、1956年に統計をとり始めて以来、過去最多となる5万2561件に上った。全国の火葬場では保管室に引き取り手のない骨壺がびっしりと並べられているこのような「無縁遺骨」が増え続け、保管場所の不足も問題になっている

 

厚生労働省によると2022年度、生活保護法に基づく「葬祭扶助」により、国と自治体が葬祭費を負担したのは全国で5万2561件(速報値)。最多だった前年度の4万8789件(104億円)から約3800件増え、初めて5万件を超えた。支出総額は国と自治体の合計で約110億円に上るとみられる。「葬祭扶助」は、遺族が葬祭費を支出できない場合や身寄りがない故人(注:故人が生前に生活保護を受けていなくても申請可)について、家主や病院長、民生委員など第三者が葬祭を執り行うと申請すれば、行政がその費用を負担するしくみ(注:法令上は葬祭「前」に申請する必要があるので実際は各自治体に確認)都市部で1件約21万円と規定されている。国が4分の3、自治体が4分の1を負担する(注:葬祭扶助の申請が無く、誰も葬祭をしない場合は、自治体が全額負担で葬祭を行う)。件数が都道府県別で最も多かったのは東京都で、9313件(速報値・前年度比889件増)。政令指定市で最多は大阪市の5252件(同312件増)で、いずれも過去最多だった。自治体の負担は東京都で約20億円、大阪市で約11億円に上る見込みだ。

 

(学者のコメント)
[1]葬祭扶助の件数、負担額は、今後も増加傾向を示すと考える。その背景として、高齢化が進行するなかで無年金・低年金の生活困窮高齢者が生活保護を利用する割合が高いこと、また世帯が少人数化・単身化していること、家族・親族のつながりが希薄化し、扶養意識が変容していること等が挙げられる。亡くなられた人を弔(とむら)うことは社会道徳的にも絶対に必要であり、その費用の捻出が困難な場合にセーフティネットである生活保護制度で保障する意義は大きいと考える。なお「多死」「無縁」社会が進行するなかで、「遺骨の保管場所」は「斎場」「墓」等の問題と合わせて考えなければならない問題であり、葬祭扶助とは別途に検討することが必要であろう。(明大教授)

 

[2]2022年1-12月の1年間の死亡数は(日本国民全体で)156万8961件ですから、2022年度の葬祭扶助の給付対象が5万2561件という報道には少し驚かされます。この2つのデータは年間と年度の違いがあり、単純に比較はできませんが、死亡数のうち約3.4%(30人に一人)に葬祭扶助が適用された計算となります。死亡者も生活保護受給者も大多数は高齢者ですから、このことは、高齢者の生活困窮と社会的孤立が進んでいることを示すひとつの側面だと言ってよいのかも知れません。年金水準の相対的低下と後期高齢者の増加、その孤立の拡大が懸念されるなか、憂慮される問題として指摘できると思います。(東洋大教授)

 

(オーサーのコメント)
[1]一方で、最高裁判所によると、相続人不存在による相続財産が国庫に入った金額は約647億円(2021年度)にも上るといいます。すでに65歳以上の高齢者で一人暮らしをしている人は約900万人います。身寄りなき死は今後益々増えるでしょう「どうせ一人なんだから、死んだ後のことは知ったことではない」という考えの人もいるかもしれませんが、一方で「死んだ後、よそ様に迷惑をかけたくないが、どうすればいいかわからない」と悩む人も多いでしょう長野県南箕輪村では、行政(村役場)と連携し、2019年度に「身寄りのない方のエンディングに関する研究会」を発足したという動きもあります死後の憂いをなくすことで、かえって安心して生きられるという面もありますこうした視点の取り組みを各自治体も国も目を向けるべき時にきているのではないでしょうか。

 

[2]親戚づきあいが少ないだけでなく、息子・娘がいない高齢者も多く、まさに孤立問題がさらに拍車をかけているといえる。お亡くなりになる方をいかに弔うかは、より良い最後(最期)をいかに迎えるかという問題にも直結する。高齢化が進む日本において、今後十数年かけて、今の高齢者がお亡くなりになる際に、それらを引き継ぐ世代が少ないことで、こうした身寄りのない方々の「共同葬儀」が必要となっている。行政において「墓地行政」という部門がある。こうした引き取り手がない方々への共同葬儀や共同墓地なども行政の範疇といえる。孤立問題や見守りといった問題は、お亡くなりなる最後の瞬間にまで影響するのだ。墓地や葬儀、孤立問題に紐付く問題こそ、国や行政の政策として真剣に取り組むべきだ。

 

[3]葬儀会社の現場感覚でも葬祭扶助でのお葬式は、年々増加傾向にあると認識しております。ただ、各自治体によりやり方が異なるため、葬儀社としては、地域性を理解しなければならないうえ、1件21万円の規定も何年も前から変わっていないため、物価高が進む中での対応が困難になる葬儀社もいるのではないかと思います。また以前、葬儀社と行政(自治体/警察署)との癒着問題が露呈したこともあり、行政と葬儀社が真摯に対応していくことがこれからの超高齢化社会に求められると思います。(葬儀業者)

 

無縁遺骨6万柱、市区町村で保管/引き渡し先なく、ルール整備要望
共同通信2023/05/05付(一部補足)
各地の市区町村が庁舎内などで、引き取り手のない「無縁遺骨」を計約6万柱保管していることが5日までの総務省調査で分かった。身寄りのない独居高齢者らが死亡し、市区町村が葬儀を行ったものの、遺骨の引き渡し先が見つからなかったケースが多い(注:生活保護法の「葬祭扶助」で第三者が葬祭を行わなかった場合、市区町村が葬祭を行う)。人のつながりが希薄化し、今後の増加が見込まれる一方、保管を巡る統一ルールは未整備。現場は国に検討を求めている。総務省によると2021年10月末時点で、延べ822市区町村が庁舎内の棚や倉庫のほか、運営する墓地や納骨堂などで遺骨を保管していた約6万柱のうち、9割に当たる約5万4千柱は身元を確認できたが「引き取り手が見つからない」「親族らが引き取りを拒否」だった。残る約6千柱は身元が分からなかった。総務省担当者は「庁舎外の納骨堂などに遺骨を移した後は保管数に数えていない自治体もあり、実際はもっと多い可能性がある」としている。回答した市区町村数が異なるため単純比較できないが、18年3月末時点は約4万5千柱だった。これと比べ21年10月末時点は1.3倍に増えた。

 

「無縁墓(承継する者が居なくなった「代々の」墓)」に対応の市町村わずか6%/明確な基準なく管理に苦慮
毎日新聞2023/09/13付(抄/一部補足)
公営墓地を運営する全国765市町村のうち、約6割に誰も供養に訪れる人がいない「無縁墓」がある一方、無縁墓の解消のため墓石の撤去や遺骨の合葬(「公営の合同墓」の設置等)などに着手した市町村は約6%にとどまることが、総務省が13日発表した初の全国調査で判明した。無縁墓は不法投棄の温床となったり、墓石が倒壊したりする恐れがあるが、処理には墓の縁故者を探すなど手続きが必要な上、遺骨を移動させた後の墓石の扱いには明確な基準がないため、管理する自治体が苦慮している実態が浮き彫りとなった。調査は2022年2月から2023年9月にかけて、全国の市町村を対象に行われた。公営墓地・納骨堂がある765市町村のうち、445市町村(58・2%)が無縁墓が1区画以上あると回答した。しかし、16~20年度の5年間で、無縁墓解消のため、墓石撤去と遺骨の合葬施設(注:公営の合同墓等)などへの移動にまで着手したと回答したのは47市町村(6・1%)にとどまった

 

(上記の記事について私から補足/死後事務を行政に直接頼める仕組みを!)
人には寿命があり、遅かれ早かれ、いずれ誰もが永遠の眠りにつきます。眠りにつくとして、遺品もろとも煙のようにドロンと霧散できたらいいのですが、現実には遺体や遺品がどうしても残るので、後片付け(死後の手続き=死後事務)を誰かがしなければなりません身寄りのない人はもとより、身寄りがあっても疎遠な場合(2の記事のように、親族でも引受拒否する場合も多いと聞いています)、その後片付けを誰がするのか、誰に頼むのか。それとも誰にも頼まずに第三者や行政に迷惑をかけるのか。独り身である私も「その時」のことを考えるとおそろしいやら心苦しいやらでたまりません。さて、横浜や名古屋、箕輪村など一部の自治体では、(自治体が誰も後片付けをする人がいない場合に公費で渋々やるのではなくて)本人が生きているうちに自分の死後の後片付けを「行政に直接頼む」仕組みが模索されています。行政に頼めるなら有償(預託金or保険料?)でもお願いしたいという単身者は多いのではないでしょうか死後事務委任契約を自治体と結べる仕組みについて大府市でもぜひ検討、研究頂きたいと思います。なお、大府市(大府市民用)には公営の合同墓も無い(3の記事の、無縁墓に対応していない94%の自治体の1つということになります)ので、承継の必要のない墓は、高額の民間施設しかありませんまずはそちらの整備を検討いただきたいところです(公営の合同墓は知多半島5市5町には知多市に知多市民用が1つあるのみです)。

フリースクールで学ぶ選択肢/行政(首長)の役割は選択肢(受け皿)を増やし、確保し、充実(拡充)させること…では?2023/10/21
「不登校、大半の責任は親」発言の東近江市長が取材応じる「フリースクールで楽しんでいる子どもを見たら、雪崩現象を起こすかもしれない。私は問題提起した」
MBSニュース2023/10/18付(一部編集)
「僕は文科省がフリースクールの存在を認めてしまったということに、がく然としているんですよ」。これは10月17日に滋賀県の(首長を集めた)会議での東近江市の市長の発言です。会議では、不登校の小中学生数が過去最多を更新して、国がフリースクールなどを支援する中、県独自の対応策に向けて各自治体トップらに意見が求められていました。

 

市長の発言大半の善良な市民は、本当に嫌がる子どもを無理して学校という枠組みの中に押し込んででも、学校教育に基づく、義務教育を受けさそうとしているんです」「無理して無理して学校に行っている子に対してですね、『じゃあフリースクールがあるならそっちの方に僕も行きたい』という雪崩現象が起こるんじゃないか」「フリースクールって、よかれと思ってやることが、本当にこの国家の根幹を崩してしまうことになりかねないと私は危機感を持っているんです」「不登校になる大半の責任は親にある」。

 

一連の発言の詳細について市長は18日午前中、取材に応じました。市長はまず、昨日の会議で示された県の政策に『子どもが学びたいと思ったときに学べる環境を整えます』という一節があり、そこに意見したいと思ったのが発言の直接のきっかけと話しました。

 

市長子供の気分、感情で『学校行く気になったから行くわ』、それで環境を整えないといけない、という解釈しかできない。(中略)。国がフリースクールの支援をしてくださいということになると、国がフリースクールに全部ゆだねる動きが出てきたときに、そもそも教育を受けさせる親としての責任や義務、教育基本法、学校教育法の枠組みが崩れるのではという危機感を持っている」。「フリースクールそのものに批判的なのではなく、フリースクールを認める文科省が『安易な判断』で無責任だ、という主旨だ」。

 

(質問)大半の責任は親にある、フリースクールに対する財政支援を国が言うべきではないと、言いましたか?
(市長)全体の流れの中でそういうニュアンスのことは言ったとも、言わなかったとも明確に言わない。でも財政支援を安易にすべきではないと言っているし、大半は、と言っている。

 

(質問)フリースクールが国家の根幹を崩しかねないと言ったが、そこがどう国家が崩れることにつながるのか?
(市長)常識のある普通の人は無理しても『学校に行け』と言っている、努力しているわけですよ。ボーダーラインにいる子がフリースクールで楽しんでいる子供を見たら、雪崩現象を起こすかもしれないと。私はあえて問題提起をした。

 

(質問)大半の責任は親という発言については?
(市長)先生の問題もあるが(市長自身の感覚)経験則に基づくと、やっぱり親(に問題があること)が多い

 

(質問)選ぶ言葉が悪いのでは?
(市長)短い会議の中で端的に思いを伝えようとすると、どうしても言葉足らずになり、アグレッシブな言葉を使ってしまう。極端に言い過ぎたかもしれない

 

(質問)フリースクールの人が困惑している声がある。
(市長)困惑する必要はないですよ、堂々とやれば。僕は文科省と県に問題があるといったつもり

 

一方、大津市内にあるフリースクール。不登校や学校に行きづらさを感じている12人の小中学生が通っていて、勉強やゲームなどをして過ごしています。東近江市長の発言を受けて、困惑の声が聞かれました。

 

フリースクールの理事(市長はちゃんと)知ってはりますか不登校のこと。周囲にいましたか(と聞きたい)。親は無理矢理にでもって言っていましたけど、無理やり行かせたときに『この子ひょっとして二度と家に帰ってこないんじゃないか』という恐怖で青ざめながら『(学校)いかんでいいわ』という言葉を、どういう思いで保護者が言っているかとか、わかってないんだろうな自分たちと違う層の人に思いを馳せて発言すべきがそうではなかった。国の将来を脅かすのではなくて、未来ある子どもたちをいかに健全に育てていくかというのを考えた上でのフリースクール(で学ぶという選択肢)。不快感とともに撤回を求めたい」。

 

(教育ジャーナリストのコメント)
学校がイヤだったんでしょうね。でも頑張って通ったんでしょうね。「つらかったね。でも、それはあなたが悪いんじゃなくて、そんな学校しか用意できなかった社会が悪かったんだよ」って言ってあげたいです。この市長に

 

(ユーザーのコメント)
[1]私が鬱になって死ぬ思いで必死に会社に行っていたとき「もしかして不登校の子供たちの中には私と同じような子がいるかも」と気が付いたんです。子供だってメンタルやられることもあるし、いじめや何かのきっかけで学校へ行けなくなることもあると思います。大人は休職したり仕事を辞められます。子供だっていろんな選択肢があっていいと思うし、フリースクールで楽しく過ごしているように見えて、早く学校に戻らなきゃって焦っていたりいろんな葛藤を抱えている子もたくさんいると思います。もう少し長い目で温かい目で子供たちを見てほしいと思います。

 

[2]無理して学校に行く事に何の意味がある?大人にも会社や仕事が合わなければ転職の自由があるではないか。子供達にとって学ぶ環境と同じくらい大事なのが「居場所」だ学校に居場所がなくなった子供達の辛さは経験した人にしかわからない。子供達に選択肢が増える事は悪いことではない。

 

[3]子どもが気軽に不登校になると思っているんでしょうか。『フリースクールがあるなら僕も行きたい!』なんて気楽な気持ちで、学校ではなくフリースクールを選んでいると思っているんでしょうか。皆が行っている学校に行かなくなる、行けなくなるというのは、子どもにとってそれだけで勇気のいることで、劣等感に苛まれることだと思います。集団から外れることの恐怖は、大人も子どもも平等に持っているものでしょう不登校という行動を起こさざるを得ない子どもが、どんなことを感じ、考え、そこに至ったか、思いを馳せたことがないのでしょうか。市長という権力のある立場なのに、傲慢です。また、「常識のある普通の人は無理しても『学校に行け』と言っている、努力しているわけですよ」とのこと、『学校に行け』という非常に薄っぺらい言葉、それだけで子どもを鼓舞できると思うなんて、どんな生き方をなさってきたんでしょうね。

 

[4]フリースクールとは言え卒業資格が取れるなら、それなりの学力が必要だと思うのです。実際どうなのでしょうか?不登校児が社会に出るきっかけになる、働きながらでも卒業資格が取れる、とメリットは沢山あると思うのですが、そればかりに目がいって、何でもありになってしまうのは、あまり良い事だとは思えないです。フリースクール側も生徒が進学や就職で不利にならないような環境を整えようとする事も必要なんじゃないかと思います。

 

(私から補足/フリースクールを「立派な選択肢」に)
上記滋賀県の首長の発言は、フリースクールを選択した子どもと親御さん、そしてスクールの関係者にとって、とても失礼な発言であり、即刻撤回すべきものと思います。ただ、この発言の背景には、世の中のフリースクールに対する根強い不信感(子どもの将来にとってよい選択肢たりえるか)も反映していると考えます。先日、Xで「担任に特別支援校の進路を勧められた。人生詰んだ」という旨の投稿が人気ポストとなっていました。その反応では「無理しても普通科に行くべき」「そんなことはない、特別支援校も立派な選択肢だ」等、百家争鳴でした。私も特別支援校は立派な選択肢だと思います。特別支援校で長所を伸ばし、進学、就職、留学…将来の可能性を拡げてほしいと考えます。しかし、こういう考えをあえて表明しなければならないほどには「普通(科)でないこと」に世の中に偏見があるのも事実と考えます行政には、そういう偏見を助長するのではなく、払しょくするような野心的な施策をしてほしいと思います。フリースクール等「普通科以外の選択肢」を拡充、充実させ、むしろ人がうらやむような選択肢にしてほしいと思います。

 

問「フリーランスなら団交も出来ない」答〇か×かヤマト「〇」! ちょっとまった!2023/10/17
ヤマト、業務委託の配達員との団交応じず/(労組法上の)労働者性めぐり救済申し立てへ

ヤフーニュース2023/10/16付(一部補足)
日本郵便との協業に伴い、ヤマト運輸が業務委託の配達員およそ3万人に対し、2024年での契約解除を通知している問題で、一部配達員らが加入する労働組合「建交労軽貨物ユニオン」が10月16日、都内で会見し、ヤマトが団体交渉に応じていないと明かした。業務委託の配達員は労働組合法上の労働者に当たらない旨の説明があったという。

 

個人事業主であるプロ野球選手にも労働組合があるように、労組法上の労働者概念は幅広い(注:業務委託=フリーランスは労働基準法上の労働者ではないが、労働組合法上は労働者として労働組合を結成し、団交できる)軽貨物ユニオンは今後、(ヤマトが「業務委託の配達員である組合員」との団交に応じないのは不当として)東京都労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てるという。

 

ヤマトは「クロネコDM便」や薄型荷物の「ネコポス」事業について、日本郵便とそれぞれ新サービスを立ち上げ、配送を日本郵便に委託する予定。それに伴い、各サービスの配達に従事していた業務委託の配達員およそ3万人に契約解除を通知していた。今回の協業をめぐっては、業務委託の配達員だけでなく、クロネコDM便の仕分け作業に従事するヤマトのパート社員にも2024年での雇用契約の終了が通知されている。軽貨物ユニオンによると対象は千人単位になり、中には無期雇用の労働者もいるという。この点について軽貨物ユニオンはこの日、ヤマトと(パート社員=労働基準法上の労働者である組合員について)初めての団体交渉を実施。ヤマト側からは大きく次のような回答があったという。[1]現在、他のセクションで働けないか人員の再配置を検討している。余剰人員が出れば退職をお願いしたいが、整理解雇ではない。就職のあっせんはおこなう。[2]退職に応じた場合に支払う金銭について、退職所得控除が受けられるような扱いにし、課税所得にならないようにする。

 

軽貨物ユニオンは引き続き、(パート社員である組合員について)雇用契約終了の通知を撤回することなどを求めるとしている。一連の問題をめぐっては、オンライン署名サイト「Change.org」で署名活動がおこなわれ、約6万筆が集まった。この日の(パート社員である組合員についての)団交でヤマト側に署名を渡したという。

 

(ユーザーのコメント/一部加筆)
[1]約3万人の配達の業務委託者と仕分けの約1000人、日本郵便はこの量を頼まれて本当に配達しきれるのか?ただでさえ郵便物が以前より配達遅くなっているのだけど、更に遅くなるって事にならないのかな?(日本郵便は積極的にヤマトの人員を受け入れるべきだし、そう表明すべきではないか)

 

[2]業務委託契約(フリーランス)なんだから単純に「御社(あなた)との契約は解除(終了)致します」と言われて終わりでしょ?冷たいようだけど、(労組法上の労働者と認めさせて)ヤマト側と団体交渉をしたところで大した事にはならないだろう。そもそもが委託する側が有利な使い捨て契約なんだから個人契約だったら残念としか言えない。自分も大手の仕事を委託契約で請負ってるけど、いつ切られるか分からないので仕事を全フリはしていない。現場の相手(責任者)からは毎日来て貰っても構わないし、むしろ来て欲しいと言われてはいるけど絶対にしない。何故なら仕事の割り振りは現場側で決められるが、会社としての方針決定は現場側ではなく本社だからです。いくら現場で騒いでも会社としての決定権が本社にある以上、現場の人と仲良くしてても(契約をいつでも切られうるという)危機感は常に忘れない。ヤマトの配送業務も「一人親方」が大半なんだろうけど契約がある以上厳しいが仕方無い話。今は配送はどこも人手不足だから、次の受注先を探したほうが早い

それでも「引き返す」勇気を2023/10/15
ベストセラー『アルツハイマー病研究、失敗の構造』
朝日新聞(読書/書評欄)2023/10/14付
カール・へラップ/米ピッツバーグ大医学教授の著。誤りに気付く機会はあったはず…。アルツハイマー病の新薬が2023年9月末、日本でも承認された朗報と思いきや、これを伝える報道は「課題なお」「慎重な検証を」等、何とも煮え切らない見出しが多い。だが本書はもっと辛らつだ。いわく「新薬の治療効果はごくわずかで、日常生活では患者本人にも家族にも効果が実感されない可能性が高い」。こうなったのは、「不確かな仮説」に医学会も製薬会社も業界全体でのめり込み、突っ走ってきたからだと著者はいう。途中で誤りに気付ける機会もあった。でもすでに大金を投じていたので、もはや引っ込みがつかなかったのだ、と。

 

仮説の主役は「Aβ(アミロイドベータ)」というねばねばした物質だ。『これが脳内にたまるのが引き金になって、神経細胞が死んでいくのがアルツハイマーの原因だ!』この仮説が有力になったのは、1990年代。「アルツハイマー病になりやすい家系に特有の遺伝子」をマウスに組み入れると、そのマウスは脳にアミロイドベータがたまり、記憶力が悪くなった。たまったアミロイドベータを薬で取り去ってみたら、記憶力が復活した。…見事な発見!仮説が証明されたわけではなかったものの、多くの人が明るい未来を信じた。人間も同じ治療で治るはずだ!一刻も早く薬を、と望む政府(世論)、新薬で稼ぎたい製薬会社、研究費を求める大学。利害が一致し、巨額を投資した。異論を言う研究者は無視し、抑圧した。…それから20年。人間だと脳にたまったアミロイドベータを除去しても、病気の進行は止まらなかった。ならばとアミロイドベータ自体が作られるのを防ぐ薬を試しても、結果は同じだった。話題の新薬もすでに破綻した仮説に基づく薬だ。しかも症状が進んだ患者には使えず、脳の腫れや出血という副作用があるこれは創薬という特殊な業界の話ではある。ただ、「次こそは成功」と頑固に信じ、保身のため、失敗を失敗と認めずに問題を先送りにする。耳に痛い助言を聞きたくても、周りはイエスマンばかり。他人事とは思えないのは、私(評者)だけだろうか。

 

(ebook japanの書評)
科学によってアルツハイマー病を克服するためには、まずこの現状を見直さなければならない。インサイダーだけが知る、袋小路に陥ったアルツハイマー病研究分野の今。「私たちはアミロイドのみのルートを通ってアルツハイマー病の治療薬を追い求めてきたために、多くの時間を失った。たぶん10~15年は無駄にしてきただろう」。実績ある科学者が、アカデミズム・製薬産業・関係官庁三つ巴の迷走の驚くべき裏事情を明かす。良心的な告発の書であり、アルツハイマー病についての直近数十年間の認識自体を根本から問い直す一冊。

 

(みすず書房の書評)
インサイダーだけが知る、空転するアルツハイマー病研究の現状。「アルツハイマー病研究の歴史は、急いで治療薬を求めるあまりに袋小路に入り込み、道を見失った物語でもある。アミロイドカスケードというたったひとつの仮説になぜここまでの勢いがついて、当時議論にのぼっていたさまざまな代替モデルをロードローラーのようにことごとく押しつぶすまでになったのか」。この分野で実績のある研究者が、アカデミズム・製薬産業・研究助成機関三つ巴の迷走の驚くべき裏事情を明らかにする。良心的な告発の書であり、アルツハイマー病についての直近数十年間の認識自体を根本から問い直す、真摯な総括でもある。著者はアミロイドやタウタンパク質とアルツハイマー病の関連を全否定するような極端な立場ではない。だが、アミロイドカスケード仮説を主軸にした直線的なメカニズムへの一辺倒が、この分野を機能不全にしていると明かす。たとえばアルツハイマー病の定義自体が、薄弱な根拠をもとに構築され、特にアミロイドプラーク(老人斑)を「原因」とする仮説の破綻を覆い隠し、むしろ依存を強める方向に改変されてきたという、驚愕の事実を詳らかにしている。社会的関心の高い科学の一分野における構造的かつ進行形の問題であり、科学論や失敗学の観点からも貴重な報告だ。

 

(ユーザーのコメント)
空転を繰り返したアルツハイマー研究の歴史を紹介。アミロイドプラークを原因とした研究が進みすぎた結果、他の要因への配慮が行き届かず、毎年莫大な研究費が注ぎ込まれたと本書は批判する。勿論素晴らしい成果も生まれたがそれでもまだ解決には至っていない。全て読み終えると何か道筋が見えてくる、という類いの本ではありません。これまでの失敗の歴史を辿る本だからです。アルツハイマー病という病の複雑さや研究者たちの知を集結させてもまだ一向に解決しないという恐ろしさを痛感しました。

 

(私から補足)
私もタイピングしながらショックで目の前が暗くなる思いがしました。日本では今もNHKの教養番組を始め、アルツハイマー予防には「アミロイドβの除去、蓄積予防」が一番で、それには脳のメンテナンス時間である「睡眠が大事」だと、それこそ草木もなびくという感じで、私もその信奉者として新薬の登場を小躍りせんばかりに歓迎していたのですが、どうもぬか喜びだったようです。朝日新聞の書評が言う通り、「今さら引き返せない」という病は誰もがかかりうることで、他人事ではないと思います。(プーチン大統領しかり、かつての日本軍しかり)それでも振り上げてしまった拳を下ろし、抜いてしまった刀をさやに納める勇気が必要だと思います。

 

重要:ストップ「介護離職」仕事で「外出」することが「息抜き」になる/介護(ケアプラン)の第1相談先は「地域包括支援センター」2023/10/14
「介護で仕事を辞めないで」在宅医療の専門医が呼びかける理由
ダイヤモンドオンライン2023/10/12付
本稿は、中村明澄『在宅医が伝えたい「幸せな最期」を過ごすために大切な21のこと』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。大切な家族が要介護状態になったら「仕事を辞めて介護に専念したい」と思う人もいるでしょう。しかし、在宅医の中村明澄氏は、仕事を辞めてはいけないと言います。一体、なぜなのでしょうか?

 

[1] 外の世界があることで、バランスが取れることもある幼稚園教諭のSさん(57歳女性)。認知症の91歳の母親と二人暮らしで、介護保険サービスを活用しながら、仕事と介護を両立させています。私は母親の在宅医療の担当医として訪問診療を続けるなかで、介護と仕事の両立に奮闘するSさんの様子を見てきました。介護保険サービスには、自宅で利用する訪問介護や訪問看護、日帰りで施設を利用するデイサービス(通所介護)やデイケア、短期間施設に宿泊するショートステイや特別養護老人ホーム、有料老人ホームなどの施設など、さまざまな種類があります。このうちSさんの母親が主に利用しているのが、デイサービスです。デイサービスの施設には介護職員らが常駐しており、入浴や食事、排泄などの介助をしてくれるほか、レクリエーションを楽しむこともできます。母親はSさんが仕事に出かけている間、朝9時から夕方5時までデイサービスで過ごしていました

 

「仕事が生きがい」と話す一方で、母親のことをとても大切にされているSさんは、母親が楽しく通えそうなデイサービスを入念に検討し、利用を決めました。自身の勤務時間中は介護職員が見守ってくれていることで「安心して仕事に取り組める」と言っていました。そんなSさんですが、肺炎で一時期入院していた母親が退院してから、仕事を休んで介護に専念していた時期がありました。その頃のSさんは、常に母親のことで頭がいっぱい。母親のちょっとした変化がとても心配で、1日に何度も相談の連絡が入ることもありました。「お母さんの介護がすべて」という毎日を送るなかで、知らず知らずのうちに心の余裕がなくなっていたのでしょう。目の前で娘が不安定になっている様子を見て、母親にも不安が伝染して落ち着かず、それを見てさらに娘が心配になるという負の連鎖が起こるようになり、「仕事から離れて介護に専念する」というSさんの選択に限界が見え始めていました。

 

幼稚園教諭という仕事が好きで、介護に集中する日々のなかでも「仕事に戻りたい」という気持ちを持ち続けていたSさんは、介護に専念して2年を迎えた頃に、仕事に復帰。それ以来、再び介護保険サービスを活用しながら仕事と介護を両立し、現在に至ります仕事に復帰してからのSさんは、不安定で感情的になりやすかった面も随分と落ち着き、生き生きとした表情に変わりました。介護以外に必要とされる場所があることが、ポジティブな変化を生んだようですそして、再びデイサービスに通い始めた母親にも前向きな変化がありました。施設では同年代の利用者さんと話すようになり、家でもSさんとの会話が増えたと言います。こうした2人の変化を間近で見るなかで、外の社会とのつながりや(仕事とはいえ)自分の時間を持つことは、患者さんにとっても家族にとっても本当に大切なものだと改めて実感しました。

 

[2] 介護で仕事を辞めない。在宅医療が必要になった時に大切なのは、必ずしも家族が直接介護に関わることだけではありません。「自宅で過ごしたい」という思いを支える方法には、さまざまな手段があります。同じ病気であっても、患者さんの性格や病気の受け止め方、家族の環境などで選択はそれぞれ変わってきます。何が正しいということはなく、大事なのは、それぞれの状況や思いに合う選択です。私は時々、企業に出向いて介護について講演をさせていただく機会がありますが、その際には必ず「支えるご家族が、介護のために仕事を辞めることは避けてください」とお伝えしています経済的な問題も理由のひとつですが、支える側である家族の人生も大切にしてほしいと思うからです。

在宅医療は「本人がどう過ごしたいか」ということはもちろんですが、「家族がどう支えていきたいか」という点も大切です。つらいことではありますが、患者さんが最期を迎えられたあとも、残された家族の人生は続きます。その渦中にいる時は、目の前のことで精一杯になるのは当然ですが、「今」の過ごし方を考えるだけでなく、その「あと」の自分の過ごし方についても、ぜひ視野に入れていただきたいのです。介護が必要な状況に直面して、「介護の担い手が自分しかいない」「とりあえず仕事を辞めたら何とかなる」と思うのは、絶対に避けたいことです。とりあえず仕事を辞めても、どうにかなるのはほんの一瞬で、どうにもならないことがたくさん出てきます。大事なことなので繰り返しますが、自分が直接的に手を出すことだけが介護ではありません。まずは仕事を続けながら介護を両立できる方法を地域包括支援センターケアマネジャーと相談しながら検討することから始めてほしいのです。仕事と介護の両立は困難なものだと捉えられがちですが、訪問介護やデイサービス、ショートステイなど、さまざまな介護保険サービスをうまく組み合わせることで、家族の負担を軽くできます実際に、そうしたサービスをうまく使うことで、フルタイムで働きながら介護を継続されている方はたくさんいます。保育園や幼稚園を利用して、子育てと仕事を両立している方がたくさんいるのと同じです

 

[3] 「介護休業」は、介護と仕事の両立のための準備期間。一方、介護を始める時や、介護を続けてきたけれど入院などで状況が変わった時など、まとまった時間を確保しなくてはいけない場面が出てくることもあります。そんな時に大きな助けになるのが、「介護休業」という制度です。介護休業は、家族に介護を必要とする人がいる場合に長期の休みを取得できる制度で、法律で保障されています。要介護状態(2週間以上常に介護を必要とする状態)で介護が必要な家族1人につき、通算93日まで休みを取ることができます。また最大で3回まで、分割して取得することも可能です。雇用保険の被保険者で、一定の要件を満たす方であれば、介護休業期間中に休業開始時賃金月額の67%の介護休業給付金も支給されます。取得する条件等は会社によって異なる場合があるため、詳しくはお勤めの会社に確認してください。

 

ここで大切なのは、「いつ」介護休業を取得し、「何を」するかということ介護休業というのは、基本的には「仕事と介護を両立できる体制を整えるための準備期間」としての休業期間で、自らが介護を直接担うためにあてる期間ではありません介護休業は、例えば役所への申請や、デイサービスの見学、地域包括支援センターやケアマネジャーへの相談、家族で介護の分担を決めるなど、あくまで「これから介護と仕事を両立する上で、できる限り無理なく続けるための段取りをする期間」と考えましょう。段取りが必要なことはたくさんあり、また役所関係は平日しか開いていないこともあるため、準備期間としての休業期間が必要になります。

 

[4] がん終末期は、介護休業=介護期間とすることを検討。介護休業は、介護と仕事との両立のための準備期間として利用すべきと説明してきましたが、がんの終末期の家族を見守る場合などは例外です。この時は、介護休業=自分が介護する期間にあてることも検討します。がん終末期に、身体を動かすのがつらくなってから亡くなるまでの期間は、数週間から二カ月程度。個人差はあるものの、急に状態が変化します。そのため、もし自分が直接介護に関わりたいと思ったら、本人が動くのがつらくなってきたタイミングで介護休業を取得したほうが良く、そのための準備を事前にしておくことが大切です。少なくとも介護休業の取得方法や、申請してから取れるまでの時間などを会社に確認するなどして調べておきましょう。この段取りを始めるタイミングは、早いに越したことはありませんが、「医師から緩和ケア病棟や在宅医療の話が出た時」をひとつの目安として考えるといいでしょう。多くの場合、この話が出た時には、介護休業の取得に向けて、動き出したほうがいい時期ということになります。実際にいつ介護休業を取るかというタイミングは、家族だけで判断するのは難しいことなので、主治医や看護師、病院の相談室などに相談しながら、大事な家族の介護のために取得する時期を決められるといいと思います。

 

[5] 短期間の休みには「介護休暇」を。この介護「休業」とは別に、通院の付き添いなどで短期間の休みが必要な場合には「介護休暇」制度を利用することができます。介護休暇は、1日または時間単位で取得できる休みです。介護を受けられるようにケアプランを作成したり、介護サービス事業者との調整の役割も担ったりするケアマネジャーとの短時間の打ち合わせに利用したり、介護保険を申請したりする時などにも活用できます。対象家族が1人の場合には年に5日まで、2人の場合には年間10日まで取得することができます。少子高齢化が進むなか、仕事と介護との両立のための法的な整備は進んでいます。必要に応じて制度を利用し、介護保険サービスもうまく活用しながら、自分で「介護をし過ぎない」仕組みをつくっていくことが大切です。介護がまだ始まっていない方も、事前にこうしたことを知っておくと、いざという時に慌てないですみます。介護はいつ始まるかわからないからこそ、使える制度やサービスにどんなものがあるのか、介護に直面した時にどこに相談すれば良いのかを知っておきましょう

 

[6] 自分の「やってほしいこと」をしてもらう。家族が自分の人生も大切にするという意味では、本人の希望を叶えるだけでなく、自分が“やってあげたいこと”をしたり、時として“やってほしいこと”をしてもらうのもひとつだと思います。これは私自身の経験になりますが、今は亡き母が、外出できるのが最後かもしれないというタイミングだった日、母と一緒に近くの量販店に行き、甚平を選んでもらいました。ちょうど夏祭りが近い時季で、母がもし夏祭りまで生きていられたら、一緒に甚平を着ようと思ったのです。直感的に「今を逃したら、もう母と一緒に買い物に行くことはないかもしれない」「母に何かを選んでもらうのは、最後のタイミングになるかもしれない」とも思いました。その日、母に選んでもらった甚平は、その後の自分を支えてくれる大切な思い出の品になっています残された時間で、本人の希望を叶えることももちろん大切ですが、大事な人がいなくなった後、自分の人生の支えになるような思い出をつくることができたら、大きな糧(かて)になると思います。支える側の家族が、これからの人生を豊かに過ごすためにも、自分がしてほしいことをしてもらうのも大切だと考えています。

 

[7] 困ったらいつでも相談できる。自宅で過ごすなかで、不安なことや心配事が出てくることは、患者さん本人だけでなく家族にもあると思います。家で過ごすなかで困ったことや悩みが出てきたら、ぜひ在宅医療に携わる医療者や介護者に、相談してほしいと思っています。患者さんだけでなく、家族の悩みにも寄り添うのは、私たちの役割のひとつです。時折、「医師や看護師に相談していいのは、患者本人の病状についてだけ」と誤解されている人がいるのですが、在宅医療を進めるなかで起きている困りごとは、ぜひ抱え込まずに口にしてほしいと思います。例えば、心不全末期で入院していたKさん(65歳男性)。要介護3の80代の母親と妻との3人暮らしで、妻が母親の面倒を見ながら暮らしています。心不全末期というのは、たとえ動ける状態であっても、心臓を守るために極力動いてはいけないという難しい時期です。Kさんの場合は特に、比較的身体が動かせる状態にあったため、在宅で過ごす場合には、なるべく動かないように家族が見守ることが大事でした。Kさんと家族の希望で、Kさんが家に帰ることを決断した矢先のこと。Kさんの妻に疲労がたまり、一時的に体調を崩してしまいました。その時、Kさんは「家内は頑張って世話をしようとしてしまい、1人で抱えて疲れてしまうんです」とポツリそれから慌てて「あ、こんなこと先生は関係ないのに、話してしまってすみません」と言うのです

 

関係ないどころか、妻に負担が集中しがちだという点は、これから在宅医療を始めるにあたって、私たちがケアの方針を立てる上でも、とても重要なポイントです。誰か1人に負担が集中する状況を防いだり、家族が疲れ過ぎないようにサポートを行うには、本人を支える家族の状況を知ることが非常に大事です。私はKさんや妻にも同様の話をし、「在宅医療を行う上での、本人や家族の心と身体に関わる心配事は、ぜひ遠慮せずに話してほしい」と伝えました。在宅医療を進める上で、療養する環境がなるべく良い状態にあるようにサポートするのは、私たち医療者や介護者の責任のひとつです悩みや困りごとがあったら、「こんなこと話してもダメだろう」「自分たちで何とかしないといけない」と無理に抱え込まずに、医師や看護師を始め、ケアに関わる人にぜひ話してほしいと思います

 

(ユーザーのコメント/一部加筆)
[1]これは本当に難しい。私は仕事をやめないで介護しようとしたら、ほんの一ヶ月の介護で母が死んでしまって、こんなことなら仕事を辞めるか、休職するかして、もっとそばにいてあげればよかったと後悔することになった。介護は数か月で終わるか、数年かかるか、ほんとに予想がつかない休職とか、時短とかがうまく使えれば一番いいと思う。

 

[2]仕事を辞めなくてもいいのなら、それに越したことはないと思いますが、自分も母親の介護中に父親の癌が発覚、介護休職をしていたが、長期介護になる為、仕事は断念。直接の上司は、辞める必要はないと言ってくれましたが、会社側からいろいろと小言を言われてた様子だったので退職届を提出。職種や会社の規模にもよると思いますが、ほとんどの人は辞めざるを得ないのが現状では。仕事と介護の両立などと言う事は簡単だが、実際に介護に直面した場合、無理だと悟った。悲しいけれど、これが今の日本の現実だと思う

 

[3]先の長い人生を考えれば、仕事を辞めないことは正解なんだと思う。すぐに介護サービスが使えないこともあるので、介護休暇を取り一時的に凌ぐ必要はあるけど、介護サービスが使えるようになったら、仕事に戻るのが理想だと思う。自分が介護を担うというよりは、親の為に親に合うよい事業所を探してあげることが大切かと思う。いろんな事業所があるので、ある程度は選んだ方がよいとは思う。空きがある、すぐ利用できる事業所にはそれなりの理由がある場合もあるので気をつけた方がいいです。まあ、理想が高すぎるとあれもこれもダメで結局合う事業所が見つからないことにもなりかねないのですが、現実にある事業所の中からより合う事業所を選ぶということが大切なんだと思う。

 

[4]母親は元々精神疾患で長時間一人でいると私の職場に「寂しい、ひどい」と電話をしてくる人だったが、それが60才で認知症まで入りどこに相談しても60代でデイサービスは可哀想、60代で施設は可哀想と言われて受け入れを渋るのが現実だった。私は可哀想じゃないのかよ、と思った。69才でやっとデイサービスに受け入れて貰えたものの、9時に行って15時半から16時の間には帰ってくるから仕事もままならない。仕事でクタクタになって帰ってきても家には要介護者がいる。神経が全く休まらず自分の神経がぶっ壊れた

 

[5]介護の内部事情も様々で、まず介護離職しない為には外部サポートが必須。持病のケアが必要なら病院となるが数ヶ月で退院しなければならない。介護施設が満床で入れないと取り急ぎデイサービスで時間を作る。しかし、デイサービスは施設ほど面倒はみれないので、施設が空くまで自宅での四苦八苦となる。サ高住は多少空きはあるかもしれないが、多額になり払えなければ入居できない。認知症もあれば現実はそう甘くない

 

[6]それぞれの家庭で在宅医療が可能かどうか事情が異なると思います。職種、兄弟姉妹の関係、経済状態、要介護認定の程度、認知症の有無など。仕事辞めないで在宅医療するより、介護施設への入所が望ましい例もあると思いたい。自宅で介護しながら働いている人を尊敬しますが、自分はできませんでした。

 

[7]私の母親は3年前に脳出血で左半身が麻痺しました。私は看護師で夜勤(3交代)もしながら面会に行ってました。職場に短期間でいいから夜勤免除を申し出ましたが育短、妊婦が多い理由で却下。辞めると言ったら渋々2交代の病棟に変えてくれました。母親は結局施設に入れましたが運悪くコロナが流行し面会もままならない状況。先が見えない中自宅でみようと去年の12月で辞める予定でしたが、師長に懇願され今年の12月まで延びました。しかし母親は今年の春に腎盂腎炎であっけなく亡くなりました。こんな事ならさっさと辞めておけば良かったです。言い方悪いですが看護師なのに自分の親の面倒もみずに何で赤の他人の面倒をみなければならないのかと思い毎日を過ごしています(:この方のように介護を他人に任せることに罪悪感を感じる人は多いと聞いています)政治家に言いたい。何で育児ばかり優先されて介護は後回しなんでしょうか?育児は先が見えても介護は先がみえません。育児と同じように介護にも力をいれて欲しい。皆、同じ道を通ります。(人間は必ず老いて死ぬのです。誰だって政治家だって、必ずその時が来るんですよ)

[8]私も相方が末期になったら在宅を希望しているので、先日主治医に相談したら、「おうちがいいでしょうけど、奥さんは仕事をしているから、もし病院に変えたくなったらいつでも変えますよ。」と言ってくれました。私は副業で訪問介護の仕事をしていて、自分だけでも在宅介護ができると思いましたが、難しいこともありますよね。とりあえず、相方の体調は落ち着いているので在宅はまだですが、主治医の言葉がありがたく、安心しました。

 

[9]フルタイムで仕事しながら祖父母3人と義父母の介護している。親戚たちは全部我が家に押し付けて知らん顔している。こちらがどれだけお願いしても一切介護はする気はないらしい。あれこれ口出しはしてくるが手伝いや資金援助はまったくやってくれない。介護する相手が多過ぎて、どうしても外部の力が必要介護保険外のヘルパーさんや家政婦さんを頼りながらの介護だ(注:この方のように保険外の契約で毎日夕暮れ症候群の起る時間帯にヘルパーさんに来てもらうこと等もご検討ください)。私は仕事を絶対に辞めたくなかったし、家政婦さんやヘルパーさんに頼るためにも収入が必要なので無理やり介護と仕事を両立させてる。祖父母3人が要介護5で寝たきりなってだいぶ楽になった。小3の娘もだいぶ手伝ってくれる。それでも睡眠時間は2時間程しか取れないし、まともに食事も取れない。自分の寿命と引き換えに彼らを生かしてるような気がして釈然としない。介護する私たち夫婦が先に倒れるか、祖父母義父母にお迎えが来るのが先か…。結構、綱渡りな両立だと思う。

 

[10]今なら可能な企業もあるかもしれない。しかし10年前は無理だった。認知症の本人が自宅、自分の寝室から出るのを嫌がり、自宅の階段を降りない為ショートステイも行けなかった。昼間に寝て夜はキッチンや室内を歩き回り、あげく深夜に私の部屋に入って来ては怒りを露わにすることもあり寝られない私は不眠症とうつ病、さらにバセドウ病も発症し、退社せざるを得なかった。認知症は徐々に悪化するのに、こちらの知識、対処方法、援助を依頼する所など初めてでわからないことばかり。仕事に追われ、家事に追われ、看護に追われて情報不足、知識不足で孤独感と焦燥感に襲われる毎日だった。

 

(私から補足/兆候があれば何は置いても「まず相談」を)
介護について真っ先に相談すべきは「地域包括支援センター」です。大府市は社会福祉協議会内にあります(トップバリュの側)。それぞれの家庭と本人の事情に応じてケアプランを立てる専門家「ケアマネジャー」等いらっしゃるので、予約をしてご相談ください。なお、行政書士の私もある程度知識があるので、お気軽にご相談ください。

重要:裁判要らず?!最近の目覚ましい行政の頑張り2023/10/06
アマゾン配達員を労災認定/契約上はフリーランスでも実態は雇用と判断
朝日新聞2023/10/04付

ネット通販「アマゾン」の配達を担う60代の男性運転手について、労働基準監督署が配達中のケガを労働災害と認定したことがわかった。男性はフリーランスとして下請けの運送会社と契約して働くが、働き方の実態などから会社に雇用された「労働者」と同様だと判断された。男性と代理人弁護士らによると、労基署は9月26日付で決定した。

 

フリーランスは自身の裁量で働ける一方、労働関係法令で保護される「労働者」とは扱われず、原則としてケガの治療費や休業時の賃金などが補償される労災保険の対象にはならないアマゾンの配達をフリーランスで担う運転手がケガで労災認定されたのは初めてとみられる。男性はアマゾンの荷物を配達する運送会社と業務委託契約を結んでいる。昨年9月、荷物を配達中に個人宅の外階段の2階部分から足を滑らせて転落し、腰の骨を折る重傷を負った。男性によると、夜8時ごろで階段周辺は暗く、霧雨が降っていたという。

 

男性側は、アマゾンのスマートフォンアプリを通じて配達先や労働時間が管理されており、アマゾンと運送会社の指揮を受けて働いていたと主張する。労基署に昨年12月、労災を申請したという。労基署は男性の働き方が実質的に労働者にあたるかどうかを検討してきた。ネット通販の拡大などで配達荷物が増える中、物流業界ではフリーランスの運転手に業務を委託する動きが目立っている。そうした中、アマゾンではアプリを通じて働き手や配送の管理を強めてきた。今回の労基署の判断は同様に仕事を請け負う働き手の保護にもつながり、フリーランスの働き方に影響が広がる可能性がある

 

(私から補足)
雇用(労働)契約で働く労働者(事業主と使用従属関係)社会保険あり(事業主の保険料負担が大きい)
雇用契約以外(委任・委託・請負等)で働くフリーランス(事業主と対等関係)社会保険無し(事業主の保険料負担が少ない)実態は「あれやれこれやれと指示される労働者」なのに、事業主が社会保険料を負担したくないから契約上フリーランスの扱いで働かせられる人たち(=偽装フリーランス)が存在業務や通勤中ケガをしても労災適用外?!申請が通らず不服申し立ても退けられた場合、弁護士を立てて裁判するしかない

 

上記の通り従来は「行政に拒まれ不服申し立ても退けられ裁判に訴えてようやく救済された」というパターンが多かったのですが、最近は「最初に申請書を提出した行政の審査で救済された」というニュースが増えています。もともと裁判(司法)では、働き手と事業主が契約通り、フリーランスとして事業主と対等関係であり「社会保険の適用が無い」のか、それとも実態は事業主に「あれやれこれやれと指示される」使用従属関係にある労働者であり「社会保険の適用がある」のか、実態を見て判断してくれる、とされてきました。一方、行政(最初に申請書を審査する処分庁)では、契約上(書類上)の審査に留まり、実態としてどうかという判断を避け、上級庁(不服申し立て)や、裁判や審判での(司法の)判断に委ねようとする傾向があるとされてきましたしかし、最近は最初に審査する行政の処分庁(労災請求では労基署)も表面上ではなく実態を見て判断してくれるようになってきた、という目覚ましいニュースが増えていると感じます。そこで私が「書類と手続の行政書士」として申し上げたいことは、[1]会社に何を言われようと(例「あなたは労災の対象じゃないよ」等)、まずは申請書を提出すべきということ(泣き寝入りしないこと)[2]出来れば、申請書の提出先である行政機関を担当する国家資格者(労災は労基署なので社労士)に書類の作成と提出手続きを依頼したほうが良いこと(受付を拒まれないように)、の二点です。申請書の提出先(依頼すべき資格者)が分からないという場合なども、聞いてくださればお答えするので、ご遠慮なくお問合せください。(留守録の際は、お手数で恐縮ですがお名前とご用件をお願いします)。

重要:夕暮れ対策は照明を明るく&おやつ&ヘルパーさんの応援を頼むのが効果的/大府市は「認知症不安ゼロのまち」市を挙げて認知症に取り組んで居ます2023/10/03
認知症の高齢者に「夕暮れ症候群(脱走など)」が起きやすいのはなぜ?カギを握るのは「光」
読売新聞(ヨミドクター)2023/10/02付

夕暮れ時はもの悲しい気分に駆られるときがありますが、とりわけ認知症の方には不安が高まって、興奮したり症状が悪化したりする傾向があります。これは「夕暮れ症候群」などと呼ばれ、多くの介護者は経験的にこれを知っています。夕暮れ症候群とは一体何でしょうか?どうしてこのようなことが起こるのでしょうか?

 

認知症の主な症状は記憶力低下(物忘れ)や見当識障害(家族の顔が分からない、場所が分からなくなり迷子になるなど)、失行や失認(一人で服を着られない、時計の文字盤が読めない)などですが、そのほかにも色々な精神面、行動面の問題が出てきます。例えば、昼夜逆転などの睡眠問題、怒りっぽさ、被害妄想、不活発、異物を食べるなど、人によって様々です。症状は何か月、何年もかけて徐々に進行しますが、診療や介護にあたっていると、同じ日でも認知症症状が急に重くなったり軽くなったりする「日内変動」に遭遇することがあります。症状の日内変動が大きいことで特に有名なのがレビー小体型認知症です。患者さんは先ほどまで普通に世間話ができていたのに、数時間後には話のつじつまが合わず、ボンヤリして物忘れもひどくなってしまうような日内変動が特徴的で、レビー小体型認知症の診断基準にも取り入れられているほどです。

 

アルツハイマー病をはじめとする他のタイプの認知症でも症状の日内変動が見られます特に夕方に認知症症状が悪化することが多く、これが「夕暮れ症候群」と呼ばれています。英語名は「Sundowning Syndrome」で、「日没症候群」や「たそがれ現象」などの別名もあります。認知症のケア施設では、日中は穏やかに過ごしていたのに、夕方になると不機嫌になったり、不安げに徘徊(はいかい)を始めたりする高齢者をよく見かけます。「家に帰る」と言い張って玄関から出て行こうとし、それを押しとどめて夕食をとってもらおうとする施設職員とのやり取りが日々繰り広げられています

 

このような夕暮れ症候群はなぜ生じるのでしょうか?そのメカニズムには不明な点も多いのですが、夕方早い時間から眠気が強まることが原因の一つと考えられています。ご存じのように私たちの睡眠パターンは、加齢とともに早寝早起き型になります。健康な高齢者でも夕食を終えると間もなくウトウトして、早い時間帯に寝床に入る方が少なくありません。とりわけ認知症の方の中にはこのような傾向が強いのです。眠気には深部体温(脳の温度)が深く関わっています。成人の場合、平均すると午後9時前後に脳温が最も高まり、それ以降、急激に低下することで眠気が強まるのですが、高齢者はこのリズムが若い頃に比べて早まり、早寝早起き型になりますとりわけ、夕暮れ症候群のある認知症の方はリズムが極端に前倒しになり、早い時間帯から脳温が低下してくるという研究報告もあります。認知症によって、脳を目覚めさせる神経(覚醒系神経)の機能に障害がある人もいます。これらの原因から夕暮れ症候群のある認知症の人は、夕方頃から覚醒度が下がって認知症症状が強まるというわけです

 

少し眠い程度で認知症がそれほど悪化するのかと疑問に思うかもしれません。もちろん、脳神経の障害(変性、死滅)は一気に進んでいるわけではありません。しかし、認知症によって脳機能が低下している状態だからこそ、少しの眠気でも記憶力や見当識が一時的に悪化してしまうケースがあるのです。脳機能が未発達な赤ちゃんが眠くなると不機嫌になって駄々をこねたり、もうろうとして泣き出したりするのと理屈は同じです夕方になり、周囲が暗くなることも夕暮れ症候群を悪化させる一因です。光にはモノを見るだけではなく、覚醒度を高めたり、気分を改善させたりする作用があります。晴れた日には気分が良く、目覚めも爽快であるのに対し、曇天や雨の日には何となくどんよりした気分になるのを経験した方も多いと思います。実はその日の環境光の明るさが、交感神経機能や脳内のセロトニン(気分を調節するホルモン)の活動性を短時間で調節していることが明らかにされています。夕方になって周囲が暗くなると不安感が強まり、時には不穏な気分にさえなっている認知症の方は、覚醒度や体温や気分の調節に変化が生じていることがあるのです。部屋の照明をしっかりと明るくすることで夕暮れ症候群を軽減できたという研究報告もあります。これから秋が深まり、夕暮れも早く訪れます。夕暮れ症候群の高齢者にもっと光を!

 

(ユーザーのコメント)
[1]夕暮れ症候群に関すること、育児書にも載っていたように記憶します。夕暮れ時は人間にとって何を連想させるのでしょうか。他の動物にもあるのでしょうか。遠い遠い歴史を紡いできた人たちも同じ夕日を見てきた。それぞれの生活、それぞれの人生。子どもは1日の終わりを感じて寂しくなる。祭りの後の静けさのように。大人は在りし日の思い出と共に感傷に浸る。時には懐かしく、時には切なく、苦しく。真っ赤な夕陽に何かを急かされているような焦燥感に駆られ胸がざわつくことも。認知症の方にもたらされる夕暮れ時とは何に思いを馳せ、苛まれる時間帯なのか。その人の海馬に蓄積された世界でどんな風景が展開されているのか。

 

[2]認知症になっても人間ですからね。私はまだ認知症ではありませんが、病気で入院中、昼間は平気なのに夕方になると物凄く家が恋しくなりました。今も仕事していても日が暮れ始めると、家に帰りたくて仕方ありません。多分人間だけでなく動物も、夜行性以外の生き物はそのような本能があるのだと思います。

 

[3]こういう記事は警察や行政も読んでもらいたいです。私の父もレビー小体型認知症で幻聴、徘徊が酷く、警察のお世話にもなりました。パトカーに乗せられて帰ってきたこともありました。その時の警察官の言葉が今でも忘れられません。警察官は、父を降ろすなり、「家族のかたは責任もってみて下さい」と冷たく言い放ったのです。手錠でもしてしばっておけとでもいいたいのかと思いました。今は施設への入居希望者が3桁越えで、施設に入ること自体難しい時代です。家族だけで対応している場合があるのです。家族だって大変なんです。もっと物の言い方を考えて欲しいです。自分の親が同じ状況だったら、同じ言葉を言えるでしょうか

 

[4]夕暮れ症候群の症状のひとつに脱走(注:大府市等では徘徊と言う言葉は差別表現として忌避)があります。ただ脱走といってもこの時間のものにはそうする理由があるようです。男性であれば仕事を終えて家に帰る。女性なら夕食の買い出しというようなものらしいです。また夕方ということで血糖値の低下も影響しているとか。もし夕方に外出したがりお困りの方はその前におやつを食べさせるといいと思います。うちも以前かなり悩まされました。必要ないのに買い物に行こうとするのです。止めると反発するので家族は疲れ果ててしまいましたが、おやつを食べると機嫌がよくなりました。

 

(私から補足)
かつて大府市でも認知症の高齢者がご家族の必死の警戒にも拘らず家を抜け出し、共和駅近くで電車に撥ねられて亡くなったことがありますご家族はJRから多額の賠償を請求されましたが、脱走につき家族に過失が無いことを立証して、最高裁まで戦い抜き、賠償請求の棄却を勝ち取りましたどんなに頑張っても、家族だけでは限界があるのです以来、大府市は市を挙げて認知症サポートに力を入れています夕暮れ症候群が起る時間帯に合わせてヘルパーさんに家に来てもらえるようにケアプランを立てるなどの試みが始まっています。夕暮れ症候群にお困りの方は大府市の地域包括支援センターまたは成年後見センターまたは市役所までご相談ください。私も無料でバックアップ(市や他の行政書士との連絡など)するので、ご遠慮なくご相談ください。留守録の折は、折り返しますので、(必ず)お名前とご用件をお願いします。

認知症不安ゼロのまち、大府市(朝日新聞デジタル2023/09/21付)

https://www.asahi.com/articles/ASR9P6F9PR9POIPE004.html?iref=pc_ss_date_article

跳梁跋扈する「ソビエト連邦」の亡霊2023/09/28
コーカサス回廊とウクライナと北方領土
ヤフーファイナンス2023/09/27付(一部加筆)    
コーカサス回廊とウクライナそして北方領土は、ソビエト連邦の残滓(ざんし)が関係している。コーカサス回廊はソ連第13共和国アルメニアVS第7共和国アゼルバイジャンの戦争であり、ウクライナはソ連第1共和国ロシア(及び第3共和国ベラルーシ)VS第2共和国ウクライナの戦争である。そして北方領土は第2次大戦末期、ソ連が日本との不可侵条約を破棄して樺太と千島列島を強奪し、ソ連崩壊後は第1共和国ロシア(現ロシア連邦)により占拠されている。

 

[1]ファティ・アキン監督の映画『消えた声が、その名を呼ぶ』は、第一次大戦中の1915年コーカサス回廊で起きたオスマントルコによるアルメニア人虐殺(犠牲者100-150万人)を告発している。そのコーカサス回廊で2020年9月27日、第13共和国アルメニア(キリスト教/人口290万人)勢力が実効支配する第7共和国アゼルバイジャン(イスラム教/トルコ系/人口990万人)南部ナゴルノカラバフ(Nagorno-Kabarakh)自治州で、両国軍が衝突し、戒厳令が敷かれた。アルメニアと(オスマントルコ以来100年以上)敵対しているトルコのエルドアン大統領は、「資源と心のすべてでアゼルバイジャンを支持する」と表明した。一方ロシアはアルメニアと相互防衛協定を結び、同国内に軍事基地を持つ一方で、アゼルバイジャンとも良好な関係(どちらも第1共和国ロシアの衛星国)にあった。2023年9月19日、トルコの支援を受けたアゼルバイジャンは、アルメニアとの係争地ナゴルノカラバフで「対テロ作戦」を開始した。アゼルバイジャン大統領府はナゴルノカラバフを占拠するアルメリア側が武器を放棄し軍事組織を解体するまで作戦を続けると通告して、全面降伏を迫った。現地に平和維持部隊を派遣するロシア大統領報道官は、「緊張激化を懸念している」と述べ、両国に自制を求めた。しかし中立を決め込むロシアに対して、トルコはアゼルバイジャンへの全面支持を表明した9月20日、アゼルバイジャンとナゴルノカラバフのアルメニア系勢力は、停戦で合意した武装解除やアルメニア軍の撤退も受け入れ、アルメニア側の事実上の敗北だったアルメリアは傍観を決め込んだ宗主国(第1共和国)ロシアと、100年来の仇敵トルコへの憤怒を深めている今後アルメリアが第1共和国ロシアを見限ってEUや米国に接近することで第2のウクライナとなる可能性も考えられる

 

[2]1987年7月、フランスのストラスブールで開催された欧州会議で、ソビエト連邦最初で最後の大統領のミハイル・ゴルバチョフ書記長は、ヨーロッパに統一された一つの共同体(共通の家)を創設すべきであるとして「欧州共通の家構想(Common European Home)=ヨーロッパとソ連が合流」を提唱した。しかし、1991年にソビエト連邦は崩壊し、15の民族名を冠する独立国家共同体(CIS)に分断された。その後、ヨーロッパでは、西のアメリカ合衆国に対するヨーロッパ合衆国、東のソビエト連邦に対するヨーロッパ連邦として、欧州連合(EU)が構築された。しかし、英国の離脱やポピュリズムの台頭により、基盤は揺らぎつつある

 

[3]ソ連崩壊後の(第1共和国)ロシア連邦のプーチン大統領は、ソビエト連邦の復活を目論んでいると思われる。2014年2月、ソチ冬季五輪の後に、プーチン大統領は第1共和国ロシアを見限りヨーロッパへの接近を計る第2共和国ウクライナに侵攻し、クリミアを併合した。2022年2月、北京冬季五輪の後に、プーチン(第1共和国ロシア)大統領は第2共和国ウクライナに再び侵攻した今度は第2共和国ウクライナそのものの併合が目的だったとされる。プーチン大統領は、憲法改正により、4期目の任期2024年から更に2期12年、83歳まで第1共和国ロシア連邦大統領として君臨することになった。北方領土に関しても、「第2次大戦の結果、ロシア領になった」として、「隣接国との国境画定作業を除く領土の割譲交渉」を禁止する条項(をわざわざ新設)により、北方領土を巡る日露平和条約交渉はさらに難航する可能性が高まっている

重要:コロナは(現在も)労災の対象2023/09/24
コロナ労災認定後も後遺症、女性に傷病補償年金/支援団体「初の事例」
朝日新聞(社会面)2023/09/23付
新型コロナウイルスに業務中に感染して労災認定を受けた後、後遺症が続いているとして東京都内の老人ホームで働いていた女性(55)に傷病補償年金が支給された。女性を支援するNPO法人「東京労働安全衛生センター」が22日に会見を開き、明らかにした。女性は感染から3年が経った現在もボンベによる酸素吸入が欠かせない日々で「ひもにつながれた毎日」というコロナによる労災はこれまでに約20万件が認定されているが、その後の後遺症で「傷病補償年金」の支給につながるのは珍しい。同センターは「初めての事例ではないか」と説明している。

 

女性は老人ホームの事務職として勤務していた2021年1月に施設内でコロナに感染し、高熱などで一時入院した。退院後も呼吸困難の症状が改善せず、仕事は休職し、在宅で酸素吸入が必要な状態が続いた。労働基準監督署で労災認定された後も、在宅で酸素療法を続けざるを得ない状態という。今年5月になって労基署が傷病等級3級に認定し、年金支給を決定した。傷病補償年金は労災保険制度の一つ。労災認定を受けていることが前提で、実際に治療を始めた時から1年6カ月を経過しても症状が治らず、障害の重さが一定程度以上の場合に、労基署長が支給を判断する。等級が1~3級まであり、年金額などに違いがある。厚労省によると、コロナによる傷病補償年金の支給決定は集計していないが、担当者は「聞いたことがない」としている。

 

NPO法人「東京労働安全衛生センター」の事務局長は「コロナの労災認定は進んできているが、今後は後遺症が続く人の問題が出てくる。重篤な症状で苦しんでいる人には傷病補償年金で安定した療養環境が作れる。国にも今回の先行事例をもとに積極的な認定を考えてもらいたい」と語る。

 

コロナ患者の労災申請低調/感染経路不明でも認定例/周知に課題
朝日新聞(経済面)2023/09/23付(抄)
本紙社会面の記事のように、業務中の新型コロナ感染で労災認定を受けた後、後遺症が続いて傷病補償年金を受給する事例が出てきた。しかし、コロナで労災が認められることへの認知は広がっていない。厚労省によると、コロナ感染に伴う(理由とする)労災は、8月末までに約21万件の申請(請求)があり、約20万件が労災と認められた。コロナの感染者は全数把握されていた5月までに3300万人超に上る。つまり申請(請求)した人は1%にも満たないことになる。

 

厚労省によると、業務が原因であることが明らかな場合の他、感染経路が分からなくても、複数の感染者がいる職場や、利用客との接触が多い店などで働いて感染した可能性が高い場合も労災として認められる。今年5月にコロナが感染症法の5類に移行した後も同じ基準になっている労災が認められれば、治療費が全額支払われる他、仕事を休んだ場合は4日目から賃金の8割相当を給付される。死亡時には遺族に補償金が支払われる。さらに治療から1年6か月が経過しても症状が治らないと、傷病補償年金を受け取れる可能性がある

 

現時点でもコロナ感染は収まっておらず第9波が到来しているとされており、コロナが労災申請(請求)の対象であることを周知する必要がある。ただ、労災を申請(請求)しようとしても、勤務先が必要な証明を出すことを躊躇するケースがあるという。厚労省は、こうした場合は、まず労基署に相談するように呼び掛けている

 

厚労省/新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者の方向け)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00018.html#Q2-1
厚労省HP 2023/09/21時点(抄)
5,労災補償
問1,労働者が新型コロナウイルスに感染した場合、労災保険給付の対象となりますか?
回答⇒業務に起因して感染したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象となります。また、新型コロナウイルス感染症による症状が持続し(罹患後症状=後遺症があり)、療養や休業が必要と認められる場合にも、労災保険給付の対象となります。なお、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に変更された後においても、この取扱いに変更はありません。申請(請求)の手続等については、事業場を管轄する労働基準監督署にご相談ください

 

コロナの罹患後症状(後遺症)について
https://www.mhlw.go.jp/content/001111825.pdf
新型コロナウイルス感染症に係る労災認定事例
https://www.mhlw.go.jp/content/000647877.pdf

 

(私から補足/私も知りませんでした)
コロナはウイルス変異とワクチン接種等により、かつてほど(生命への)脅威ではなくなったと言われていますが、今もまれに重篤な後遺症が出るとされています。コロナが5類となり、誰もが罹るありふれた感染症とされた今(withコロナ)、世間の感染への警戒は緩み、かえってコロナに罹かる可能性は高まっていると言えます。つまり誰もがコロナになり、後遺症になる可能性が高まっています。しかし上の記事によれば、コロナを理由とする労災申請(請求)件数は想定の1%未満です。つまり「コロナは今も労災の対象」であると知らない人がほとんど(労働者も使用者も知らない)と考えられます。(私自身知りませんでした)。政府や自治体など行政や報道機関は『職場でのコロナ罹患による療養や休業、後遺症が出た場合の療養や休業、「どちらも」労災請求の対象』と更なる周知をお願いしたいと思います。

愛知県大府市共和町3-1-6

​行政書士西村伸事務所

電話0562-46-4467

9:00-17:00 (土日祝定休)

 

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