
≪業務について09≫
≪ご挨拶≫
申請・遺言・相続・離婚・後見・終活等々、書類や手続きについて行政書士が力になります。お気軽にご相談ください。なお、当事務所は不服申立て手続きを代理できる特定行政書士でもあります。(2023年8月現在、大府市で特定行政書士は私だけです)。電話(0562-46-4467)。留守番電話の折はお名前とご用件をお願いします。または無料相談室まで。(2023/08/12行政書士西村伸)
≪9月会合では現状維持/円安進行継続か/1ドル150円どころか160円も近い?≫
【当面の金融政策運営について】2023/09/23
日本銀行2023/09/22付(抄)
1.日本銀行は、本日(9月22日)、政策委員会・金融政策決定会合において、以下のとおり決定した。
(1)長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)
次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針は、以下のとおりとする(全員一致)。
●短期金利:日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用する。
●長期金利:10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債の買入れを行う。
(2)長短金利操作の運用(全員一致)
長期金利の変動幅は「±0.5%程度」を目途(めど)とし、長短金利操作について、より柔軟に運用する。10年物国債金利について1.0%の利回りでの指値オペを、明らかに応札が見込まれない場合を除き、毎営業日、実施する。上記の金融市場調節方針と整合的なイールドカーブの形成を促すため、大規模な国債買入れを継続するとともに、各年限において機動的に、買入れ額の増額や指値オペ、共通担保資金供給オペなどを実施する。
(3)資産買入れ方針(全員一致)
長期国債以外の資産の買入れについては、以下のとおりとする。
ETFおよびJ-REITについて、それぞれ年間約12兆円、年間約1,800億円に相当する残高増加ペースを上限に、必要に応じて、買入れを行う。CP等は、約2兆円の残高を維持する。社債等は、感染症拡大前と同程度のペースで買入れを行い、買入れ残高を感染症拡大前の水準(約3兆円)へと徐々に戻していく。ただし、社債等の買入れ残高の調整は、社債の発行環境に十分配慮して進めることとする。
2.わが国の景気は、緩やかに回復している。(中略)。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、政府の経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果などによって、ひと頃に比べればプラス幅を縮小しているものの、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響から、足もとは3%程度となっている。予想物価上昇率は、再び上昇の動きがみられている。
3.先行きのわが国経済を展望すると、当面は、海外経済の回復ペース鈍化による下押し圧力を受けるものの、ペントアップ需要の顕在化などに支えられて、緩やかな回復を続けるとみられる。その後は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まるもとで、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰していくもとでプラス幅を縮小したあと、マクロ的な需給ギャップが改善し、企業の賃金・価格設定行動などの変化を伴う形で中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まっていくもとで、再びプラス幅を緩やかに拡大していくとみられる。
4.(中略)。金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。
5.日本銀行は(中略)粘り強く金融緩和を継続していくことで、賃金の上昇を伴う形で、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現することを目指していく。「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。引き続き企業等の資金繰りと金融市場の安定維持に努めるとともに、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる(注:毎度おなじみの文句に今回変化なし)。
≪難しい国イタリアの「乗り換え先」は?≫
【さまようイタリア】2023/09/21
ヤフーファイナンス2023/09/06付(一部加筆)
9月2日イタリアのタヤーニ外相は、イタリアが参加している中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」について「われわれが期待した成果をもたらさなかった」と語った。イタリアはコンテ政権時代の2019年、米国の反対を押し切って、西側の主要国で初めて「一帯一路」に参加していたが、2023年内に離脱する可能性が高まっている。
そもそもイタリアは現在EU内でも孤立している。欧州中央銀行(ECB)は、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)などで購入した加盟国の国債を再投資している。そして、ユーロ圏の金利上昇に脆弱なイタリアやスペインの国債を買い支えているため、両国の比率が上昇しており、出資金(EU運営の負担金)比率を大きく逸脱しつつある。そのため、ドイツやフランスから非難の声が高まっている。すなわちECBは、再投資という名目で、ドイツやフランスのお金を、イタリアやスペインに投資している構図となっている。
イタリアの不義理を揶揄する有名なブラックジョークがある。(1)ドイツ人はイタリアのせいで2回も大戦に負けたと思っており、第2次大戦の同盟国であった日本人が訪独すると「今度はイタリア抜きでやろうな!」と言われるらしい。(2)最強の軍隊は、アメリカ人の将軍(指揮官)、ドイツ人の参謀(軍師)、日本人の兵隊。最弱の軍は、中国人の将軍、日本人の参謀、イタリア人の兵隊。
ジョークの通りイタリアは伝統的に不義理であった。(1)第1次世界大戦での裏切り。1915年イタリアは、イギリス・フランス・ロシアと「ロンドン秘密条約」を締結し、戦後の「未回収のイタリア」及びアドリア海沿岸のダルマチアなどの移譲を条件に、「三国同盟」を裏切って「三国協商」側に参戦することを密約した。そして、「三国同盟」の破棄を宣言して、オーストリアとドイツに宣戦布告した。(2)第2次世界大戦での裏切り。1940年イタリアは、ナチスドイツの快進撃を見て参戦した。1943年、劣勢となった大戦末期には反ファシズムのクーデターが発生し、連合国へ降伏と同時に日・独に宣戦布告した。従ってイタリアは第1次第2次とも当初は「敗戦側の主軸」でありながら、最後は裏切って「両大戦の戦勝国」になっている。(3)そして2023年は「見込み違い」を理由に中国の経済圏を脱する。イタリアは「中国の報復を恐れている(朝日新聞)」という。イタリアの「乗り換え先」がどこなのかは分からないが、その盟主(たとえばIPEFなら米国/TPPなら日本)は火中の栗を拾う覚悟が要るだろう。(そしていずれまた乗り換えられる覚悟も要るだろう)。
≪姉弟と言えど「以心伝心」とはいかない/SOSのサインを見逃さないで≫
【石田純一さんの姉・桃子さんが高齢一人暮らしで「孤独死」のショック/エアコンは故障し電気は止められ…】2023/09/17
日刊ゲンダイ2023/09/14付(一部加筆)
13日、俳優・タレントの石田純一さん(69)の姉で音楽家の桃子さん(享年72)の“孤独死”をデイリー新潮が報じた。一人暮らしをしていた東京・練馬のマンションを訪れた弟の純一さんに発見された桃子さんは、死後数日が経過していたという。
死因は熱中症と言われている。純一さんの話によると、桃子さんから「エアコンが故障している」と純一さんに相談があり、純一さんが自宅のクーラーを持ち込んで、桃子さんに「業者を呼んで取り付けておいてね」と言って去ったが、連絡が絶え心配になった純一さんが再度訪ねたところ、桃子さんは亡くなっていた。クーラーは純一さんが持ち込んだ時のままの位置に放置されていた。桃子さんは業者に連絡もしていなかった。
連日猛暑が襲う中、電気自体を止められた生活をしていたという桃子さん。純一さんは亡くなるまで桃子さんの生活苦を把握できていなかったという。音楽家として生計を立てていた桃子さんだが、コロナ禍で仕事が激減し、梱包のバイトまでしていたものの、高齢が理由でやめざるを得なくなり、しまいには電気が止められてしまったという。
桃子さんは、昨年12月に自身のYouTubeチャンネルを立ち上げていた。コンサートでは「石田純一の姉です」と挨拶していた桃子さんにとって純一さんは、自慢の弟であり不肖の弟でもあった。トレンディー俳優としてブレークした純一さんの活躍を誰より喜んでいたのが、姉の桃子さんだった。純一さんの隠し子騒動や“不倫は文化”発言、故・松原千明さんとの離婚が報じられると、桃子さんのもとには多くのマスコミが訪れた。その際、桃子さんは『あの人の人生だから』という感じでコメントされていたのが印象的で、純一さん同様、おおらかな性格の方だった。純一さんのことを常に温かく見守っていたという桃子さん。「生活の面倒を見てあげられなかったのか」「クーラーが壊れたという相談で生活苦に気が付かなかったのか」といった声が上がっているが、誰よりもショックを受けているのは弟の純一さんだろう。
(私から補足)
気付いてもらえなかったお姉さんの無念と、お姉さんの亡骸を見てはじめてすべてを察した純一さんの無念を想うと、私も本当に胸が潰れるようです。お姉さんは純一さんに本当は「クーラーが壊れた」のではなく「電気を止められた」と相談したかったのでしょう。弟さんに直接生活苦を訴えることをはばかって、おそらくありたけの勇気を振り絞って「クーラーが動かない」と間接的に伝えることで、弟さんに自身の窮状を察してほしかったのだと思います。姉弟間でも以心伝心とはいきません。他人間であればなおさらです。SOSは、簡潔に直接的に「助けて」と伝えるべきです。…とはいえ、わたしたち日本人は直接的に自身の要望を相手に伝えるのを嫌う傾向があるといわれています(特に年長者ほど顕著)。たとえば救急車の出動要請でも「死にそう」とは言えず「たいしたことはないんですが」と伝える人が多いとのことですし、航空機の機長も「墜落する(メーデー)」とは言えず「空港に引き返したい」と伝えてしまったり、客船の船長も「沈没する」とは言えず「航行不能(浮いてはいられる)」と伝えるなど、とかく1ランクも2ランクも下の状況だと相手に伝えてしまいがちです。もし、あなた様が他人(子や親族含む)から何らかの相談をされた際は、相談者はありたけの勇気で「遠慮がちに1ランク下」のSOSをしてきている可能性にご留意ください。「本当のところは?」と、必ず聞いてください(自戒を込めて書きました)。
≪重要:事業承継/後継者は「大企業のように従業員(生え抜き)から選ぶ」のも一つの方法≫
【100年以上続く窯元(かまもと)の跡継ぎを/愛知県の「後継者インターンシップ」で公募に80人/うれしい誤算と決断の重み】2023/09/13
東海テレビ2023/09/12付(一部補足)
後継者不在に悩む、愛知県瀬戸市の100年以上続く「瀬戸染付焼」の窯元が、県の支援事業「後継者インターンシップ」で跡継ぎ候補を募集した。熱意ある候補ばかりで、今度はうれしい悩みに変わった。真っ白な素地に呉須(ごす)という材料を使って模様を描く、瀬戸染付焼(せとそめつけやき)。愛知県瀬戸市で100年以上続く窯元「眞窯(しんがま)」の四代目、加藤さん(41)は27歳で会社を辞め、29歳の時に父に弟子入りした。曾祖父、祖父と代々引き継がれてきた窯を守ってきた。加藤さんは独身で子供もなく、伝統を引き継ぐ後継者がいないのが悩みの種だった。そこで、愛知県が始めた「後継者インターンシップ」に応募し、公募で集まった80人の中から窯の後継者候補を選ぶことにした。(80人の中から1人を従業員/職人見習いとして雇用して、技術を学んでもらって、将来的には経営を継いでもらいたい)。
この日は書類選考などを通過した6人が、現地での面接会に参加。京都府からの参加者「骨をうずめる覚悟で、長いこと関わっていきたいなと思っています」。石川県からの参加者「大学3年生になって就職の時期なので、将来を考えるにあたって応募しました」。応募者は芸術を専攻する大学3年生が中心で、瀬戸にゆかりのない人ばかりだ。加藤さん「こちらの不安というよりも、来てくださる方が不安にならないようにと思っていて、家族を中心にやっているので、そこにすんなり入ってこれるかどうかとか」。
加藤さんも参加者も少し緊張した様子で、インターンと選考に臨んだ。期間は2日間。実際に器を制作しながら、参加者の技術や人柄を見ていく。ゆかりのない瀬戸市に移り住むことについて参加者は…。沖縄県からの参加者「最初はやばい、これ田舎だと、住みにくいんじゃないかとは思ったんですけど。自分の足で歩いたことによって、人柄とか土地の感じとかがすごく見えてきて」。
全員と一対一の面接をして、プログラムは全て終了した。加藤さん「ここから1人選ぶというのがうれしい迷いなんですけれど、プレッシャーに感じるというか迷っています」。熱意ある参加者が集まったうれしい誤算と、家業を誰に引き継ぐのかという決断の重みから、この場での選考は見送りに。時間をかけて考え直すというが、気持ちは前向きだ。加藤さん「職人の後継者になりたいと思ってくださっている方がいるということが本当にうれしいことだったので、新しく職人になってくれる方にもつないでいけたらいいなと思っています」。
(私から補足)
子や親族からの後継者が居らず、生え抜きの従業員も居ないという場合でも、事業承継の方法はM&A一択ではありません。上の記事の加藤さんのように、ご自身の引退まで時間的余裕がある場合は、若者を従業員(職人見習い)として雇用して、技術を伝授しながら、将来的な経営者候補としても育てる「従業員承継」も選択肢です。(いざ引退する時はその前に法人化して、創業家/ご隠居として配当/議決権を確保するのをおすすめします)。一方、時間的余裕がない場合は、事業を譲渡(M&A=同業者等に事業や株式を売却)する形になりますが、条件面、特に金額で折り合わず、結局「廃業」と言うケースも多いとされているので、後継者を育てる時間的余裕があるのであれば、県の「後継者インターンシップ」制度等を利用して、熱意ある若者を募集して従業員(職人見習い)として雇用し、後継者候補として育てることをお勧めします。
≪日銀の思惑(胸算用)では「明日9/11から緩やかにトレンド転換(円高)へ」?≫
【日銀は総裁インタビューを通じて年内のマイナス金利政策解除の可能性を示唆、9月の会合での修正の可能性も】2023/09/10
ヤフーニュース2023/09/10付(一部加筆)
読売新聞は9日の朝刊一面で、日銀総裁の単独インタビュー記事を掲載した。タイトルは『マイナス金利解除「選択肢」、賃金・物価上昇なら』となっていた。この記事の内容で注意すべきは「物価目標の実現にはまだ距離がある」としながらも、マイナス金利解除を選択肢としてあげたことであろう。これまでは物価目標を達成してからマイナス金利を解除するとしてきたが、先にマイナス金利を解除しても、いずれ物価目標の達成が可能と判断すれば「(先にマイナス金利解除を)やる」と発言。また「ビハインド・ザ・カーブ(後手に回る=金融引き締めに動かないこと)を積極的に許容するというわけではない(=利上げ/マイナス金利解除が必要なら躊躇しないということ)」とも発言した。
記事では、読売新聞の単独インタビューに応じたとあったが、タイミングからみて、日銀側から働きかけた可能性は高い。市場が休みの土曜日の朝刊ということからも、(サプライズとなり大相場とならないよう)市場に配慮したことが窺える。先週は日銀の高田審議委員と中川審議委員の講演が行われたが、こちらでは特にあらたな示唆はなかった。今回は審議委員などを通じてではなく、総裁のインタビューというかたちで、このタイミングで(インタビューは6日に日銀本店で実施)、日銀の今後の姿勢を示す必要があったものとみられる。
今回の日銀総裁のインタビュー記事から窺えるのは、日銀がマイナス金利解除を視野に入れつつあるというか、入れざるを得なくなってきたということではなかろうか。大きな要因は(行き過ぎた)円安であろう。昨年12月と今年7月の長期金利コントロールの上限引き上げも、日銀が円安に対して無回答はありえないための修正とみることができる。しかし、日銀は金融政策の方向性は変えず、正常化も拒否しているような格好であり、そこをさらに市場につかれ、再び円安が進行してきた。これに対処するには、日銀が頑として拒否してきた金融政策の方向性(ビハインドザカーブ=金融引き締めに動かない)を変える以外になく、その結果、マイナス金利解除を視野に入れざるを得なくなったとみられる。
むろん、総裁のインタビューにもあったが、国内物価が日銀の想定以上に上振れていたことも要因となっていよう。そもそも物価の番人が、物価上昇に対して何も対応しないことのほうがおかしい。消費者物価指数は米国より日本のほうが上昇率が高くなっているにもかかわらず、米国の中央銀行にあたるFRBが政策金利を5%台に引き上げているのに対し、日銀はマイナスというのはどう考えてもおかしい。今回の日銀総裁のインタビュー記事は、媒体やタイミング、内容からみて、日銀は年内にマイナス金利政策を解除する可能性を示唆したものとみざるを得ない。
日銀は7月の決定会合で長期金利コントロールの上限について実質1%への修正を行ったが、その前の7月8日に内田副総裁によるインタビュー記事が日本経済新聞と共同通信に掲載されたことを思い出してほしい。インタビューを受けた人や、メディアは異なるが、今回も同様かとの印象を持った。(つまり、サプライズ予防のための「次回会合で政策転換するという予告」ないしは「観測気球」であろう)。
年内の金融政策決定会合は9月21、22日と10月30、31日、そして12月18、19日に予定されている。タイミングからみて9月21、22日の金融政策決定会合で何らかの動きが出る可能性がある。たとえば、公表文の最後の文章の「(毎度おなじみの文句)必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる」の修正あたりからの可能性はある。むろん、(サプライズで)マイナス金利政策の解除の可能性も十分にありうるというか、これが本命である可能性がある。その際には本来であればYCC解除を含め、金融政策の正常化も一気に進めることが必要となるが、そこまでの期待に応えられるかどうかはやや不透明感もある。いずれにせよ、やっと日銀が重い腰を上げるのか、22日の金融政策決定会合の結果に注目したい。
≪因縁・言いがかり/坊主憎けりゃ袈裟まで憎い≫
【「選手がコーラ飲んでる」J2金沢の事務所に届いた“衝撃の通報”/クラブOBが切実苦言!「スタッフも対応に苦労します」】2023/09/05
SOCCER DIGEST Web 2023/09/05付(一部補足)
現在J2リーグで21位と降格圏内で苦闘を続けているツエーゲン金沢。同クラブのOBで現在はクラブアンバサダーなどスタッフとして仕事に従事している辻尾真司氏が、自身のX(旧ツイッター)で驚きの事実を明かした。辻尾氏は「苦しい状況なので色々なご意見ある事は承知しておりますが」と前置きしたうえで「『選手がコーラを飲んでる』(というような言いがかり的な)通報を事務所にするのはやめて頂きたいです。クラブスタッフも対応に苦労(苦慮)しています」と綴った。
なんとも受け止めが難しい苦情に対して、SNS上では辻尾氏を支持するコメントが大半を占めている。「ただのクレーマーです」「そんなに選手がコーラを飲む事は悪い事?」「勝敗とコーラは別」「飲んだらあかん理由を聞きたいな」「(糖分で)疲労回復になるとも言われてますよね」「コーラ飲まなくて勝てるなら苦労しない」「救急隊員が(救急出動の帰りに救急車で)コンビニ寄ってる、と通報する人と同じだ」など、様々な意見が寄せられた。
(スポーツライターのコメント)
通報者がサポーターかどうかわかりませんが、クラブは是非にかかわらず、同じ対応を迫られてしまいます。対応が悪い、というクレームがSNSで広がれば、同じような攻撃をする人、クラブに不満なサポーターも引き寄せ、ダメージになり得るだけに。「成績が悪いから」それでクラブを苦慮させる嫌がらせをすることが許されるはずはありません。もし通報者がサポーターだとしたら、それは「応援してやっているのに(負けてコーラを飲んでいる)」という自己肥大で、「お客様(である自分)は神様」という意識が悪い方に働いているのでしょう。
(ユーザーのコメント/一部加筆)
[1]「コーラ美味しいですからね!それだけですか?では失礼します」ガチャ!でいい。そうしたら次は「失礼な対応された」とクレームが来るけど(笑)ここで反射的に謝罪せず、内容を聞いて言いがかりの場合は強固に(断固として)撥ねつける必要がある。(そして、今回の辻尾さんのようにチームとしての見解を発信し、クレーマーの喧伝に世間が惑わされないよう配慮する努力も要る)。電話は相手が切るまで切っちゃダメとか(ビジネス上のルールは)もう止めた方がいい。「構ってちゃん」を構ってやるこたないね。丁寧な物言いをしすぎるのも、つけあがる一因。
[2]クレーム入れた人は、多分40代以上の人かな…私は元運動部ですが、昔は「炭酸飲料は体力が落ちるから飲んではいけない」と言われていました。結局、根拠はないのですが…歯をコーラに入れて「コーラは骨や歯を溶かす」とかやってるポスターと一緒で、炭酸飲料を悪者にしたい風潮があった時代の人なのでしょう。他の人もコメントされてますが、ファンだと言うなら「お疲れ様です。応援しています」と声をかけて、(試合後に飲んでと事務局を通じて非炭酸の清涼飲料を何ダースか)差し入れすればいいのに…別に差し入れしなくても、応援している事を伝えるだけでもいいと思う。そっちの方が、お互いに良い気持ちになれるのに…
(私の感想)
ドラマ「相棒」の初期のエピソードに、少年犯罪の被害者の遺族が、少年院に入院中の加害少年の家族の生活を常時監視(ストーカー)していて、スーパーで加害少年の家族がお寿司を買ったのを見て「反省が足らない」と憤るというシーンがあり、私も見ていていたたまれなくなったことがあります。フィクションの世界に限ったことではなく、人間は簡単に気に入らない対象に言いがかりをつけ喧伝するような「鬼(怪物)」になってしまいます。鬼は醜いですから、人が鬼になった姿を目にした人は、自らも鬼にならないように、その鬼から離れる努力ないし他山の石(反面教師)としていただきたいと思います。
≪双方「べき」「べき」と角突き合わせてちゃ、まとまるものもまとまらない≫
【議会の質問順抽選/子連れの女性市議の参加不可/質問機会失う】2023/09/01
朝日新聞2023/09/01付
愛知県の豊橋市議会で、女性市議が定例会での一般質問の発言順を決める抽選に、子連れで参加しようとしたところ、議長らに「子連れでは抽選できない」と断られ、質問する機会を失ったことが分かった。女性市議によると、子どもが発熱し、やむを得ずに連れてきたという。
市議は元看護師。4月の市議選では無所属で立候補。選挙カーや事務所を持たずにSNSを駆使した選挙戦を展開し、2500票余りで初当選した。抽選は8月30日にあり、市議によると、長女(2)が前日から発熱。そのため、長女を連れて市議会へ行き、「保育園に預けられない状態。手短にくじをひき、失礼させて頂くことはできないか」などと議長(43)らに相談したという。別室で子ども一人で待機するよう提案されたが、市議は「体調不良の子を知らない場所に一人で残すことはできない」と断った。抽選に参加できなかったことで、市議は4~6日の一般質問に立てない。議会運営委員会の決定事項では、抽選について、本人が事故や病気などで議長が事前に許可した際には代理出席が認められている。議会事務局の担当者は「本人ではなく子の発熱なので今回は適用は難しい」「もう少し時間があれば、ほかの議員も交えて相談できたかもしれない」とする。子の同伴を制限すると明記したものはないという。
市議は、子どもの付き添い入院での親の負担軽減などを質問する予定だったといい、取材に対し「残念に思った。私なりに問題意識を持って質問しようと思っていた。議員として質問する権利があり、抽選に参加する権利は守られるべきではないか」と話した。一方、議長は1日に記者会見し、経緯などを説明。市議からの相談が抽選会の15分前だったとし、「先例がなく、議会運営委員会で協議する時間的ゆとりもなかった。質問権が奪われることは重く受け止めているが、議長の独断はふさわしくないと思い、判断した」と述べた。今後、市議が質問できるよう対応するかは「考えていない」とした。
(私から補足/ほんの少しの譲り合いで景色は違ったものに)
随分偏狭な話に、私も息が詰まりました。ほんの少しの互譲と機知があれば、簡単に解決できそうなものです。たとえば…私が議長なら「先生(女性市議)とお子さんは別室に待機していただいて、先生はそこから私(議長)に電話して、スピーカー通話で会議に参加してください。クジの順番が来ましたら、職員にクジ箱を持っていかせますので、その時に引いてください」と言ったと思います。地方議員は主義主張の前に折衝能力を磨いてほしいものです。特に議長になる場合は柔軟さも必要だと思います。
≪私たちはみな何かを遺せる≫
【有働由美子/人生の後悔と新たな喜び思い涙「後悔ばかりだったけど…こういう形もありかな」】2023/08/30
スポニチ2023/08/29付(抄)
フリーアナウンサー有働由美子(54)が27日「24時間テレビ46」にチャリティーパーソナリティーとして生出演し、自身の「人生の選択」について語り、涙を流す場面があった。有働は東アフリカのウガンダにロケへ。国際NGOのつながりで、5年前に会った少女に再び会いに行くのが目的だった。現地では、ゴミの不法投棄やマラリアによる子供たちの死など、ウガンダのみならずアフリカの多くの国が抱えている問題を目の当たりにした。
有働が「アフリカにいる私の子供みたいな感じ」と言うほど大切な存在だという少女アンジェラは7歳になり、ヤギの世話や食事の準備、水くみなどができるほど成長していた。つかの間の再会は、あっという間に別れの時間に。多くのカメラを前に最初は緊張していたアンジェラも、最後は笑顔とハグで有働を見送った。VTRをあらためて見た有働は「ただの親戚のおばちゃんみたいになってましたけど、今回は笑顔がありました」と振り返った。
その上で「ずっと仕事をしていて、子供大好きなんですけど、子供を産めるギリギリのタイミングの時に仕事も踏ん張らなくてはいけなくて、そっちを選択したんですよ。すごい後悔したんですけど、ずっと後悔ばかりだったんですけど、アンジェラと会ってから次第になんですけど、こういう形もありかなって思えて。むしろ、サポートしているとかチャリティーをしているというよりは、“アンジェラママ、アンジェラ、ありがとう”という感じ」と、目に涙を浮かべて話した。さらに「そういう思いがある人がいたら、こういうつながるチャリティーもあるんだよとお伝えしたいです」と、寄付などとは違った形の支援の可能性に言及した。なお今年の24時間テレビのテーマは「明日のために、今日つながろう」。東京・両国国技館をメーン会場に放送された。
(ユーザーのコメント)
[1]有働さん、すごくその気持ち分かります!子どもは好きだけど持つ勇気がなく、いい年になってしまいました。周りが思うほど寂しくはないけれどどこか罪悪感みたいなものがありました。私はいま縁あって子どもに携わる仕事をしています。子育てに比べると責任がないと言われそうですが、子どもを社会で育てる一員になれている気がして、自分自身が満たされて癒されています。「こんなカタチでの子どもとの関わり方が私には合っていたのかも」と肯定できるようになって来ました。だから子どもと親御さんに私で助けられることは精一杯したいなと心から思えるようになりました。有働さん、言葉にしてくれてありがとう。
[2]同じように思っている女性は実は沢山いるのでは。出産には年齢があるのがつくづく女性には辛い。かといって仕事も自分の代わりなんていくらでもいるわけで…
[3]有働さん、大半の人が後悔はたくさんありますよ!人生は欲張っても仕舞いは同じですよ。誰もが最期は一人で死ぬのですよ!人生は死ねば忘れる夢ですから。
[4]私も有働さんと同じで出産を選ばなかった派です。本当に後悔ばかりです。あの時産んでおけばとタラレバです。しょうがないんですけど…
[5]仕事か子供のどっちかを取らないといけないというのが、違うと思う。どっちも大事。
(私の感想)
人は…私たちは誰でも、この世に遺伝子を遺すことが出来ます。子を為すこと以外の方法でも、文化的な遺伝子(記憶/伝承)を遺すことが出来ると私は思います。有働アナのように異国の少女を支援するのも一つですし、戦争体験を新聞に投書したり、ノウハウを市民講座で伝えたり。「誰かに伝える」ことで何らかの形で遺ってゆくと思います。私も少し前に人生の後半といえる齢になりました。あと半分も無いのかと気付いた途端、諸々の野心は消え失せて、それからは特に「私もこの世に何かプラスなものをたくさん遺したい」と以前にも増して考えるようになりました。「人の財産になるような仕事をしたい」と常に願っています。何かお困りでしたら(行政書士法で可能な限り)力になるのでご遠慮なくご相談ください。
≪相続したものの、売れない・固定資産税は取られる・草は生える…どうしよう⇒10年分の管理費をつけて土地を国にお返しする制度が出来ました≫
【相続した土地「手放したい人」の土地国庫帰属法/創設から3カ月、承認ゼロ】2023/08/25
週刊大阪日日新聞2023/08/25付(一部補足)
法務省は「所有者不明土地」の発生予防と、利用の円滑化の側面から、民事基本法制の見直しを図っている。その一環で、相続した土地の「使い道がない」「管理が難しい」などの場合に、国に引き渡す制度、「相続土地国庫帰属法」が4月27日に創設された。8月16日時点で承認・不承認となったケースはまだ1事例もない。
要件(承認の条件)として「権利関係に争いがある」「担保権等が設定されている」「建物や工作物等がある(つまり更地の状態でないと申請不可)」土地は対象外としている。そのほか、「土壌汚染や埋設物がある」「危険な崖がある」「通路など他人によって使用される」土地も不可としている。承認された場合(審査に通った場合)、負担金が必要となり、10年分の土地管理費相当額の納付となる。例えば、市街化区域、用途地域が指定されている地域(一部の市街地)の宅地では、100平方メートルで約55万円。農用地区域の田畑は1000平方メートルで約110万円。森林は3000平方メートルで約30万円。それ以外は面積に関わらず20万円。
法務省によると、7月末時点での相談件数は1万2000件。審査中は700件に及ぶ。問い合わせ内容は「概要を教えてほしい」といった相談から「書類を作ったので見てほしい」「地図や写真を持参して申請できるか判断してほしい」などさまざま。そのうち、大阪法務局での相談件数は、200件超。審査中は、8月16日時点で2件。担当者は「相談者は大阪府内に住んでいて、土地は大阪府外の地方にあるケースが多い」と話す。審査手数料の金額は、土地一筆当たり1万4000円。手数料の納付後は、申請の取り下げや、不承認となった場合でも返還しない。土地国庫帰属法は、(相続したものの)土地管理費・固定資産税などの費用がかかるため、最終手段と考えているケースがほとんどだろう。さまざまな土地の要件がある中、活用されるのか注目したい。
(ユーザーのコメント/一部補足)
[1]先ずは特区を設けて宅建業者の仲介手数料上限の撤廃が必要。タダに近い田舎の不動産の仲介なんか誰もやらない(=市場に流通しない=田舎の不動産は売れない)。国の負担金は法外に取るのに宅建業者の報酬は5%程度や20万程度ではどう考えてもおかしい。多少のお金を払ってでも売りたい人が多いのは相談数以上にいるはず。各地の空き家バンクは盛況のようだがもっと役所主導ではなく市場流通させるべき。
[2]基本は買い手がつかない、いわゆる「負動産」を持っている方から「所有者不明土地」が出てくるのを予防するため作られた法律だが、建物が建っていると申請もできず、ならばと自費で取り壊してから申請して審査に通っても、負担金を最低でも21.4万円以上納めないといけない。審査も厳格で承認を貰えるか不透明な制度で、もとから雑種地や更地、畑などの物件でないと利用は難しい。負動産を持っている方からすると境界が明らかでない場合がほとんどだと思うし地籍調査や自分で土地家屋調査士にお願いしないといけない場合も多そうで(申請の準備に)更にお金がかかりそう。
[3]自分は土地とか持ってないので詳しく知らなかったのですが、詳細を見たら使いにくそうな制度ですね。相談件数を見る限りは土地を手放したい人はそれなりにいるのに、制度の使い勝手が悪くて利用は少ない様ですね。権利を争っていたり担保になってるのは仕方ないにしても、持ち主が管理を面倒くさがる要素は大体対象外になりそうですし、国が土地を召し上げる形になるわけですから負担金まで取らなくて良いのではないかと思えます。ただまあ、承認・未承認の判断まで行ったのがゼロ件でも、7月末で700件審査中なので、審査に時間がかかっているだけで、今後は利用実績が上がっていくのではないでしょうか。
(私から補足)
相続土地国庫帰属法。かつて竹林(山)を相続して持て余した司法書士の先生が、国に引き取ってほしいと最高裁まで争った事件がありました。その時は退けられたうえ、小言まで言われたのですが、先生が身を挺して議論を提起した甲斐あって、「じゃあ有料で引き取りましょうか」とついに国が動いた画期的な法律です。この法律に基づいた申請の代行が出来るのは、弁護士・司法書士・行政書士の三業に限られます(法務省HP)。行政書士にご相談ください。…とはいえ、今のところ使い勝手がよいとは言えないので、タダでも売れない・空き家バンクや農地銀行等に登録したが安価でも借り手が無い等、本当に困った時の最後の手段という感じです。大府市は元より過疎地ではないので(タダなら売れるはず)、この制度にそこまでの需要は無いかもしれません。不動産についてのお困りごとは随時ご相談ください。
≪2023年はALSとアルツハイマーの治療薬元年/治療薬「ゼロ」⇒「1」に!≫
【市川の青木さん特例投与へ/自費負担、寄付募る/難病ALS新薬、東京医科歯科大が準備】2023/08/23
千葉日報2023/08/21付
全身の筋肉が徐々に動かせなくなる難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)の治療で、国内では未承認だが、米国で開発され特定の遺伝子に変異のあるタイプ向けに作られた「新薬」の特例的な国内利用に向けた準備が、東京医科歯科大学で進められている。対象となるALS患者は市川市の青木渉さん(34)。難病治療の「先例」となる取り組みだが、費用は自費で年間数千万円かかる。青木さんは寄付を募りながら投与開始に備えている。
新薬は、SOD1という遺伝子の変異により筋肉を動かす神経が損傷するタイプのALS患者の治療用に米国で開発された「トフェルセン」。日本人を含む世界規模での臨床試験が行われ、4月下旬に米国で迅速承認された。ALSを引き起こす根本に踏み込んだ画期的新薬とされ、症状の進行を抑えると期待される。ただ、開発した米製薬会社「バイオジェン」日本法人によると、国内での承認は「当局と申請に向けた協議中」として、見通しは立っていない。今回の新薬に早くから注目していたのは、脳や神経の病気が専門の東京医科歯科大学、横田隆徳教授のチーム。「症状がこのまま進んでしまうのを座視できない」と、同大学病院のSOD1型ALS患者、青木さんに投与できるよう「未承認新規医薬品等を用いた医療提供」という制度を活用し、5月に同病院内の評価委員会に申請書を提出、その後承認された。新薬の輸入に向けた準備が進む。
患者の青木さんは、都内で飲食店店長だった2021年10月ごろ足に違和感があり、足に力が入らなくなった。22年春から同病院で精密検査を受け、遺伝性ALSと診断された。その後も症状は悪化。階段は両手でつえを使って上り下りし、握力の低下も感じる。「1~2年先どころか1~2カ月先さえ体調がどうなるかわからない。新薬投与を米国での承認前から切望してきた」という青木さんは自身のホームページhttps://aokisho.comや動画で支援の募金を呼びかけながら投与に備える。横田教授は「投与が実現し、他のALS患者の人たちにも希望になるような方向に進んでくれれば」と期待している(注:青木さんによく効けば、実績として評価され、日本での承認につながる)。
(私から補足)
以前、ピュアソウルというTVドラマがありました。終盤、若年性アルツハイマーを患った主人公(演/永作博美)が、幼い我が子をのこして逝かなければならない辛さ、子に遺伝するのではないかという不安を主治医(演/室井滋)に打ち明ける場面があります。主治医は「遺伝するかもしれない。でもこの子が大人になる頃には、きっといい薬が出ているわよ」と慰めます。ドラマから22年が経ち、治療薬が未だ「一つも無い」事実に、私も恐怖すると共に胸を掻きむしられるような痛みを覚えて居ました。しかし2023年、ついにアルツハイマーとALS、このむごたらしい病の両方共に、一つずつとはいえ治療薬が現れたことを、私も心から嬉しく思います。治療薬が「無い」のと、1つでも「有る」のとでは、未来の展望が全然違うと思います。上の記事の青木さんにALS新薬トフェルセンがよく効いて、日本での承認(保険適用)につながることを心よりお祈り申し上げます。
≪重要:「お一人様」「親亡き後」/元気なうちに「専門職後見人」というマネージャーを付けよう≫
【ピーコの逮捕に美川憲一は「人ごとではない」おすぎとの凄絶同居生活】2023/08/20
デイリー新潮2023/08/16付(抄/一部補足)
身寄りのないおすぎとピーコが「老老介護」状態となったのは、仕方のないことだったのだろう。しかし、周囲の支援さえあれば、ピーコが酒を盗んで逮捕されるという事態は避けられたのではないか。認知症になった二人の「悲哀物語」、その一部始終をたどる。
『ピーコ伝』(2001年刊)はピーコ(78)の著書である。LGBTQなどの概念がまだ広く認知されていなかった1975年、おすぎ(78)との双子のユニットとして芸能界デビュー。ピーコはファッション評論家、おすぎは映画評論家としてもテレビ、ラジオなどで活躍した。ピーコの半生が語られている『ピーコ伝』の終盤に次のような記述がある。〈わたしは、ひとに余分な迷惑をかけたくないといつも思っているの。いずれ死んじゃうわけですから。残ったからだは片づけをお願いしなければならないけど、身ぎれいにだけはしていたい。(中略)なぜそう思うのかというと、人目を気にしているからではなくて、自分自身が身ぎれいに生きたい、と強く思っているからです。自分自身でちょっとどこかを律してキレイでいられることで、年寄りくさくならないとか…〉
自分で自分を律することへの強い思いが伝わってくるが、そんなピーコが現在の自身の境遇を冷静に眺められたとしたらどう感じるだろうか。テレビの中で繰り広げられていた、おすぎとの丁々発止のやり取りとマシンガンのごときトーク。それとは打って変わった二人の「現在地」を巡っては、全盛期を目撃した多くの人が悲哀や寂しさに似た感慨を抱くのではなかろうか。二人の身辺に異変が生じていることは、ここ1年ほどの女性誌の見出しを並べるだけでも明白だ。〈ピーコの幻迷「老老介護の果てに」〉〈エアコンとテレビをつけたままピーコが「消えた!」〉〈ピーコ 哀しき「万引き常習」施設で保護の寄る辺なさ〉…
おすぎとピーコの身に何が起こっているのか。ピーコの元マネージャーは「二人は今、別々の施設で暮らしています。二人には親族はいませんし、現在、身の回りの世話をする人もいません」。二人が施設に入る前に一時期同居していたマンションは神奈川県にある。「あのマンションの部屋は元々ピーコさんとおすぎさんお二人のお姉さんが所有していたのですが、彼女が10年ほど前に亡くなったことで、おすぎさんの持ち物になりました」。その後、おすぎの知人らしき家族が暮らしていたそのマンションにピーコが越してきたのは、20年の春頃だった。「それからしばらくピーコさんはそこで一人暮らしをしていました。そして21年秋頃、おすぎさんが当時暮らしていた福岡の博多からそのマンションに引っ越してきたのです。認知症が進んでいた様子だったので、ピーコさんが心配してそうしたのだと思います」。
89年、ピーコが悪性黒色腫(メラノーマ)というがんを患って左目を摘出することになった時、おすぎは、すでに決まっていた多くの仕事を肩代わりすることでピーコを助けた。そのおすぎに認知症の症状が出始めると、今度はピーコが手を差し伸べたわけだ。ただし、「二人の同居生活はなかなかうまくいっていなかったようで、よく言い争っていました」と、マンションの近隣住民は言う。「買い物に行こうとする時の出がけに部屋やマンションの前で“早くしなさい”とか“何してるの!”“さっさと歩きなさい”“ちゃんと靴履きなさい”と、ピーコさんがおすぎさんを怒っているのがよく聞こえてきました。おすぎさんの認知症が思いのほか進んでいて、ピーコさんとしてもうまくいかずにイライラしていたのだと思います」。警察沙汰になったこともあったという。「おすぎさんが行先も伝えずドテラを着てフラッと外に出たままいつまでも帰ってこない。ピーコさんはゴミ捨てにでも行ったと思っていたそうですが、全然帰ってこないので警察を呼んで捜してもらうことに。結局、おすぎさんは一人で帰ってきたそうです。それが21年の11月か12月のことで、この頃にはピーコさんもぼんやりしている様子が見られるようになりました」。
結局、「老老介護」は半年ももたず、22年2月頃、おすぎはマンションを出て高齢者施設に入った。「22年の夏頃、ピーコさんが“おすぎが死んだ”と言い出しまして」。「マンションの管理組合の人によると、ピーコさんからマンション所有者の名義変更の連絡があり、おすぎさんの死亡届みたいな書類も添えられていたと。そこで管理組合の人がおすぎさんの事務所の関係者に連絡すると、おすぎさんは死んでおらず、施設に入っているということを教えてくれたそうです」。施設に入ったに過ぎないおすぎが「死んだ」と思い込む。それはピーコをもむしばみ始めた認知症ゆえのことだったのだろうか。「ピーコさんがマンション入り口のオートロックが開けられずまごついていたり、ようやく部屋の前まで来てもカバンの中にあるカギがうまく見つけられず、荷物を全部ひっくり返して探しているところを見たことがあります。ゴミ捨てのルールも理解できなくなっているように見えました」。
おすぎとピーコのマネジメントを担っていた複数の会社は21年から22年にかけていずれも解散。共に仕事をしてきたマネージャーや事務所関係者も二人に寄り付かなくなっていた。「ある時、マンションの管理組合の人がピーコさんに連絡を取ろうとしてどうしてもつながらないので、マネージャーに取り次いでもらおうとしたことがあったそうです。すると、そのマネージャーは“もう関係ないから一切連絡してこないで”とそっけなくあしらったといいます」。頼れる人もなく、一人マンションに取り残されたピーコ。それでも、「22年夏頃までは横浜駅前にある百貨店『そごう』によく行っていたようでした。ほぼ毎日朝10時半くらいに出て行って、お昼でも食べてくるのか、13時半頃に『そごう』の袋を提げてタクシーで帰ってくる。ただ、夏を過ぎると出かけて行くこともなくなり、食事はもっぱら近所のスーパーのお弁当で済ませていました」。「月に数回ほど、区役所職員がピーコさんの元を訪ねて安否確認をしていました。その際、職員が“ご年齢はいくつですか?”などと聞くと“歳は83です”とか事実と全然違うことを言ってしまうのです」。
そして“悲劇”が―。神奈川県警所轄署の副署長「今年3月25日午後3時にピーコさんが窃盗の容疑で逮捕されたのは事実です」。捜査関係者によると、「万引き被害にあったのは近所の店で、盗られたのは酒。これまでに何度もやられているので怒った店主がピーコを取り押さえて警察に通報し、現行犯逮捕となった。ただ、ピーコ本人は善悪の判断がついておらず、いまいち話もかみ合わない。そのためすぐに釈放。役所が間に入り、施設で保護することになりました」。ピーコが万引きを働いたのはこの店だけではない。別の近所の店主「ウチでは今年の2月~3月にかけて2、3回お弁当やサンドイッチ、酒などを万引きしています」。そのことは区役所職員も把握していたようで、「3月半ばごろ、区役所職員が“ピーコさんが万引きしちゃった”と言っているのを聞きました。ただ、ピーコさんは施設に入るのは“絶対にヤダ”と拒否していた。役所としても無理やり施設に入れることはできないので手を焼いていたと思います」。(注:週刊誌はピーコがおすぎの面倒を見ていたと書いているが、私はひょっとすると逆で、おすぎのマンションに認知症状と生活苦で窮状のピーコが転がり込んだのが実情ではないかとも思う。そう考えるとおすぎを怒鳴りつけていたこと、区役所の福祉担当?職員が定期的にピーコを訪問していたこと、マンションの名義変更問題、常習万引き等のエピソードのつじつまが合う)。
とはいえ、手を差し伸べられる事務所関係者などが周りにいれば、「逮捕」という最悪の事態は避けられたのではないかと思えてならない。ちなみに、逮捕によって主を失ったマンションの部屋はエアコンがつけっぱなしだった。管理人などが許可を得て中に入ったところ、飲みかけの酒が入ったコップがポツンと机に置かれていたという。「今回の事件にはもうビックリしました。本当に逮捕されたの? けれど切ないわねぇ。マネージャーとか誰かケアしてくれる人がいなかったのかなって思ったの。ケアする人がいればまた違ったんでしょうね」。そう慨嘆するのは、おすぎとピーコと交流があった歌手の美川憲一(76)である。「年齢を重ねてくると本当に人ごとではないですよね。物忘れも多くなるし、足腰も弱るし。その中でもし一人で生きていかなきゃならないってことになったら本当に大変よね。自分がいつそうなっちゃうかなんて誰も分からないんですから」。
おすぎとピーコがそれぞれテレビやラジオで活躍してきたことについては「昭和の時代は“男は男らしく、女は女らしく”。その中でくじけずに頑張ってきたことはすごいことだと思います」。今は別々の施設で生活するおすぎとピーコが今後、顔を合わせる機会があったとしたら、その時、二人はどんな思い出話をするのだろうか。一世を風靡したタレントの「想像を絶する老後」に注目が集まったこの問題。その後、女優・中村玉緒が今年1月のイベントを最後に表舞台から姿を消しており、親族や友人とも音信不通状態が続いていたと「NEWSポストセブン」が報じた。SNSでは、認知症で施設へ入所していたことが報じられた「おすぎとピーコ」を思い出し、気にかける声も相次いだ。超高齢化社会を迎えた「日本のリアル」を改めて突きつける一件となったのは間違いないだろう。
(ユーザーのコメント)
[1]私の知人のお母様も万引きをきっかけに同居生活を始めました。若かりし頃は教師をしていて誰よりも正しく厳しい人だったそうです。そういう人ほど、認知症になりやすいと聞いたこともありますが、実際どうなのかはわかりません。ピーコさんは関西ローカルの番組で準レギュラーとして出演されてましたのでニュースを聞いた時には驚きました。鶴瓶さんのトーク番組にお二人揃って出演されたのだってまだそんな昔ではないのに、と。誰にも老いは等しく訪れる。身綺麗に生きようと心掛けていて実践もしていたピーコさんがこのような老後を迎えるとなると私たちにできる準備なんてあってないようなものなのかなとも考えてしまいました。身につまされますね。
[2]人に迷惑をかけずに人生を終える、ってみんな望むことだけど現実は難しいんですねぇ。双子の兄弟として世に認知され、双子だからこそピンでのキャラも立って、それぞれに活躍の場を広げてきたから、晩年、一方が自立困難になると、もう一方も責任感から共倒れになりやすいのでしょうか。スマートなお別れへ向けて終活をと、元気な時には考えるが、足腰や内臓より、自分の予想以上の猛スピードで認知の低下が進んでしまうということはあると思う。当地にユニークな単館があって、90年代初期まではおすぎさんレギュラーゲストのような形でシネマイベントを開催していましたから、会場近隣のホテルや帰京時の空港でたびたびお見かけしてました。ネットのない時代、映画紹介媒体では大いに貢献されたお二人なのに、事務所やマネージャーさんともうまくいかなくなってしまったのか…加齢って本当に、避け得ないだけに重いし恐ろしい。
[3]ピーコさんが15年くらい前に働いていたお店にたまにお客様として来て下さっていました。一度お店の近くで会った時、私がそこの店員だと分かってくれて、ほんの50メートルくらいだったけど一緒に歩きました。まだテレビにも結構出ていたときで有名人だったけど、一般人の若造の私をすごく気遣って下さって、優しく笑顔で話しかけてくれました。柔らかい雰囲気の方でした。これからピーコさんが少しでも穏やかな気持ちで過ごせると良いなと思っています。
[4]身寄りもなく事務所もなく介護施設に入居している、ということは誰かが二人の後見人として色々な手続きを代行しているのでしょうね。おそらく自治体の長の名前で後見が申請され、家裁が法律家を後見に選任したという流れで進んだことなのでしょう。できれば本人たちが頭がしゃんとしているうちに良く話し合って、信頼できる方と任意後見契約を結んでおくべきケースでした。
[5]人ごとではない記事ですね。子供いても疎遠な人、増えるおひとり様、親の介護してますが、こんなの子供いない人どうするんやろ?て場面が多くあります。そして、こんな苦労子供にさせたくないと思います。本当に大変です、親の介護は。日本の福祉は家族ありきの制度のように思う。こんだけ高い税金取るのだから、最後も家族に頼らずとも不安のない仕組みを作ってほしい。ある程度の年齢になればケアマネを必ずつけるとか。一人娘いますが、迷惑かけたくないし、遠方に行けばそれまでやし。でもかなりお金はありそうなお二人ですが、老後の計画考えてなかったのでしょうね。
[6]有名人なのでセンセーショナルな報道の仕方をしていますが、介護職の私から見れば身寄りの無い高齢者なんて全国にたくさんいます。民生委員やら地域包括やらケアマネやらたくさんの人が関わって最終的には可能なら司法書士さんとかの後見人をつけて施設入所となります。誰でも歳は取るし、家族がいないと認知症発症のリスクも高まるし、この記事を見た人は他人事と思わず将来のリスクに出来るだけ備えて欲しいですね。
≪重要:窓口で勝手に却下(不受理)しないで!/行政の違法・不当な慣習「水際作戦」≫
【8歳男の子、車にはねられ眼底骨折/警察「物損事故でもよいのでは」母の抗議で一転人身事故に/募る不信感】2023/08/18
毎日新聞2023/08/17付(一部補足)
「子どもがけがをしたのに物損事故にされそうです。力を貸してください」。長野県の女性から本紙に助けを求めるメッセージが届いたのは5月だった。聞けば、小学3年の四男(8)が近所で車にはねられて眼底骨折などのけがをしたのに、所轄署に物損事故として処理されそうだという。なぜそんなことになるのか、署の事故対応を追った。
女性によると、事故があったのは4月30日の昼下がりだ。四男は三男(11)と一緒に自宅の庭でボール遊びをしていた。すると、ボールがフェンスを越えて敷地外の市道へ。四男は転がったボールを拾い、庭に投げ入れ、戻ろうとしていた時に乗用車にはねられた。「ぎゃっ」。女性は悲鳴を聞いて外に飛び出した。四男は路上にうつぶせに倒れ、数メートル先にはボンネットがへこんだ車が止まっていた。手が震えてスマホがうまく握れなかった。何とか119番通報し「救急車を!」と声を絞り救急車で市内の医療機関へ。幸い、命に別条はなかった。女性が、けがの応急処置を終えた四男とともに帰宅したのはその日の午後6時半ごろ。勤め先から事故現場に駆け付けて捜査(見分)に立ち会った夫から耳を疑うようなことを聞かされた。「捜査を担当した署の係長が、物損事故扱いでもよいのではないかと言うんだよね」。
「息子が大けがをしたっていうのに」。女性は疑問に思い、署に電話した。すると、係長は署に来るよう求めた。署に赴くと、係長は改めて「物損事故でもよいのではないか」と言った。(別に子をはねた人を罰してほしいわけじゃない。でも)将来どんな影響(後遺障害)が出るかも分からない人身事故。物損扱いにされたら、(障害が出た時)十分な補償が得られなくなる可能性もあるのではないか。「それはおかしい」。女性は抗議した。
本紙は経過を確認するため、所轄署に取材を申し込んだ。副署長が取材に応じたのは6月22日だった。副署長は係長の発言を事実と認めた上で「事故の被害者に不快な思いをさせてしまい、不適切であった」と答えた。なぜ物損事故にしようとしたのか。副署長は「係長から理由を聞いているがコメントは差し控える」とした。係長は他の人身事故も物損事故として処理しようとしたことがあるのではないか―。本紙の質問に、副署長は「コメントは差し控える」と繰り返した。
捜査に立ち会った夫は事故当日、係長が「こんな現場検証に時間をかける必要はない」といった趣旨の発言をしていたとメモしていた。女性は「業務負担を減らすため、物損扱いにしようとしたのではないか」といぶかる。そこで本紙はもっと詳しい事情を聴こうと、県警本部の交通指導課に取材を申し込んだ。7月4日に次長が対応。「一概に、人身事故より物損事故の方が業務負担が軽いとは言い切れない」とし「(署の係長は)事故被害者がけがをしたことを知らずにそのような発言をした可能性はないだろうか」と指摘した。確かに事故当時、係長は四男が救急車で運ばれた後に現場に着いた。係長は当時、四男の容体を知らなかった可能性はある。だが、女性は当日夜、所轄署に呼び出された際に、四男が眼底骨折などのけがをした事実を伝えていた。
改めて署に取材を申し込むと、副署長が7月20日に取材に応じ「係長はけがを知った上で、物損事故として処理してもよいのではないかと発言した」と認めた。理由については「(加害者が被害者の)近所だったから」と説明。「そうだとしても、物損事故として扱うことは許されない」と付け加えた。署はその後、一連の対応を謝罪し、物損事故扱いにはしないと確約した。女性は取材に「人身事故として扱ってもらえることになってよかった。でも、警察には強い不信感が残った」と話した。
(元司法警察員のコメント/一部補足)
確かにこれは不信感が残ると思います。近所の方が当事者とは言え、眼底骨折は重症で、眼球の運動障害等、後遺障害が残る場合もあります。例えば、家族を車に同乗させて単独事故を起こし、同乗者の家族が怪我をした場合に、診断書を警察に提出すると、運転者が自動車運転過失傷害の被疑者となり、行政処分や罰則を受けるため、あえて警察に診断書を提出せずに物損事故として処理するケースはあります。しかし、本件は前述のケースとは全く違い(他人にケガをさせた人身事故なのですから、物損事故として処理すべきと誘導するのは)警察の職務怠慢ととられて当然と思います。警察は、処罰機関だと考えて交通事故を捜査していることがあると思いますが、実は人身事故を物損事故として警察で扱うようなケースが、民事で揉めて損害賠償請求等で事件になることが多いです。この記事のとおり、怪我をした事故であれば、後々揉めないように警察に(何を言われようと)人身事故として届け出することが最善と思います。
(ジャーナリストのコメント)
警察の対応としては許されない行為です。現場から救急車で搬送されているのですから「人身事故」として認識していないはずがありません。物損事故と人身事故では調書作成などの手間のかかり方が違うので、担当警官が楽をしたかったのか、それとも、加害者側に何らかの便宜を図ろうとしたのか?被害者にそのようなことを言った理由をはぐらかすことなく、再発防止のためにも事実を明らかにすべきでしょう。ただ、こうしたケースは実際に起こっています。過去には、重傷事故の調書を作成するのが面倒だと感じた警察官が、たまたま被害者と同じ苗字だったことから、自身の印鑑で簡易書式の調書を作成していたケースもありました。もし、こうした事故が「物損事故」として処理されると、基本的には自賠責の支払い対象にすらならず、後から人身事故に切り替えるなどの手続きが必要になります。本件のお母さまは屈することなく本当によく頑張られたと思います。
(ユーザーのコメント/一部補足)
[1]私も以前車対車の事故に遭いました。こちらが被害側で、初めての事故だし夜だし真冬で寒いし早く現場検証終わらないかなぁと、痛む腰を押さえながら立っていたら、警察官が「少しでも痛いならちゃんと人身事故として処理しなきゃ駄目だからね、明日直接署に連絡ください」と言って名刺を渡されました。物損や人身の内容も理解出来ていなかったので、ちゃんとアドバイスをくださった警察官の方には感謝しています。(でも記事の警察官の方は)救急車で運ばれるくらいの怪我なのに物損で済まそうとするなんて、職務怠慢としか思えません。
[2]人身事故だと罰金や免停になる為、急に飛び出してきての事故など車側が十分に気を付けていても起こってしまうような、主に被害者側に過失がある場合は運転手さんはとても可哀想。今回の所轄署の係長も、被害が重大で無ければ物損事故の扱いにしてあげた方がいいと思ったんじゃないでしょうか。
[3]正直、担当した警察官により対応が酷い事はあると思います。しかし私は以前に傷害事案で担当した警察官にとても感謝しています。とても親身になって対応してくれたからです。警察官も人間ですから色んな人がいて、犯罪を犯す様な人も中にはいます。だからといって、殆どの警察官は真面目に勤務し市民の為に日々頑張ってくれています。たまたまこんな事になってしまったのはお気の毒ですが、どこの社会にもある事なので。警察だけに信頼している部分はあるでしょうが、同じ人間がする事なのですから。今回の件については徹底して追及した方が良いのは当たり前ですが。
[4]以前、信号無視の車とぶつかったことがあります。その時はなんともなかったが、翌日体が痛くなり、警察と保険会社に連絡しました。受診後に警察に出向き、人身に切り替えて処理してくれました。対応した人の処理の仕方、対応によるのではないかと思います。もし、その警察署全体でそういう対応なら問題かなと思います。
[5]記事やコメントを読んでいて、明らかな人身事故なのに物損事故にされることがあると知り、驚きました。しかし、事故にあって動揺している時に警察からもし「物損事故でいいでしょう」と断定されるように言われてしまったら、確かに従ってしまうかもしれない。どんな状況でも心を強く持っていないと日本人はつい同調圧力に負けてしまう。こうやって事件を発信してくださったことで多くの人の目に触れ、同じ思いをする人が少なからず減ると思います。私も情報を得ることができて良かったです。ただただ、お子さんの早い回復を願っています。
(私から補足)
その係長さんは「代々の係長さんの判断基準」で事故を処理してきたのでしょう。たまたま今まで異を唱える人が居なかった(または効果的な抗議が出来ず、明るみに出なかった)だけで、その署の管轄地域では過去多くの人が違法・不当な処理に涙を呑んできたと思われます。[3]のコメントにもあるように、こういう闇は警察など行政だけでなく、どの社会にもある(残っている)ことだと思います。まさに明日は我が身です。私も「それはおかしい」と声を上げたお母さんの勇気に敬意と感謝を表したいと思います。行政庁には、却下(門前払い)と棄却(考えたけどやっぱダメ)では「認めない」という結果は同じでも、被害者(申請者)にとって納得感が全然違うということ・人身事故の場合は罰の軽重のみが問題ではなく、後日後遺障害が出た時の被害者の手続きの便宜の問題もあるということを再確認の上、窓口の各担当者に悪しき慣習「水際作戦(窓口担当者に独自基準で門前払いさせ、問題になるとその窓口担当者に責任を押し付けること)」の放棄を徹底するよう指示いただきたいと思います。なお、役所の水際作戦には、その役所を担当する資格者の助力を得るのが効果的です。警察の場合は弁護士と行政書士ですから、何かあれば、私(行政書士)に声をかけてください。
≪ニュートラル/感情に支配される国に、感情に支配されない大統領が出現≫
【「日本はパートナー」韓国・尹大統領が式典で演説/日本批判は控える】2023/08/15
FNN 2023/08/15付(一部補足)
韓国の尹錫悦大統領は8月15日、日本の統治からの解放(光復節)を記念する式典で演説し、日本への批判は控え、安保や経済の面で日本との関係強化を訴えた。尹大統領は演説で、「日本はこれからも韓国と普遍的価値を共有し共同の利益を追求するパートナー」と述べた。
また、米韓同盟について「普遍的価値で結ばれた平和の同盟であり、繁栄の同盟だ」と述べ、「朝鮮半島や域内において韓米日の安保協力の重要性が日増しに高まっている」と言葉に力を込めた。北朝鮮の核とミサイルの脅威を遮断するには韓米日3カ国間での緊密な偵察兵器協力と北朝鮮の核・ミサイル情報のリアルタイム共有が必要だとし、「日本が国連軍司令部に提供する7か所の後方基地は、北の南侵(韓国侵攻)の最大の抑止要因になっている」と語り、18日に開かれる日米韓首脳会談に期待を寄せた。尹大統領は3月以降、いわゆる元徴用工問題の解決策発表など日韓関係の正常化に踏み出していて、演説では日本と「未来志向的に協力すれば、世界の平和と繁栄に共に寄与してゆける」とも述べた。
(ジャーナリストのコメント)
日本の植民地統治から解放された8月15日の「光復節」の演説で「過去」に全く言及せず、「日本はこれからも韓国と普遍的価値を共有し、共同の利益を追求するパートナーである」と、高らかに宣言した大統領は韓国の歴史上、おそらく初めてではないでしょうか。演説では安全保障上の観点からも経済的側面からも日本は韓国にとって無視できない存在であることを国民に訴えておりましたので日本批判を控えるのは当然でしょう。尹大統領はまた、「過去」だけでなく、南北の「統一」についても一言も言及していませんでした。これもまた極めて珍しいことです。どうやら南北の対話と和解による祖国の統一を諦めているのかもしれません。
(ユーザーのコメント/一部補足)
[1]この2国間状態はあくまで尹政権だから保たれているのであって、政権交代していつもの「反日無罪」状態に戻れば、またしてもゴールポストを動かすと言う行動に移るだろうと言う公算が高いだろうし、どうせ(尹政権も末期は)反日に舵を切るんじゃないかって言う疑念があるから、信じ切る事は危険極まりない。だからあくまで対中朝でのパートナーと言う位置で、それ以外の(特に経済的な案件)に関しては距離を置く方が(日本の)国益に適うと思う。
[2]こういった親日な言動も次の政権には反故(ほご)にされる歴史を何回も見てきている。こういった事が繰り返される原因の一つが大統領1期5年限り(再選禁止)という制度。短い政権の中で利権が集中し(時には)大統領が罷免され、別の政党から大統領が出てきて引き継ぎが全くされない。韓国人自らがこの制度のおかしさに気付き、また政権を取ること=利権が集まることを防ぐ仕組みを作らなければならない。
[3]日本統治時代を経験され、戦後は一橋大に留学もされた91歳のお父上が本日午前亡くなられたとのこと、ご冥福をお祈りします。そのような中で臨んだ光復節の演説には様々な想いがあったでしょう。就任以来、低支持率でも安易な反日に走らない姿勢には尹錫悦という一人の政治家として大いに支持しています。しかし一期5年再選なしの大統領制は、任期が進むにつれ政権は死に体、それゆえ反日ポピュリズム頼みで日本を裏切ることの繰り返しでした。結果、関係自重を望む日本国民の心情もまたよく理解して欲しいものです。
≪心に留めておきたいこと/被災直後に被災地を訪問しないことも支援の内≫
1【「私たちの仲間が死んだばかりの海で観光客が泳いでいる」マウイ火災】2023/08/14
BBCニュース2023/08/14付
米ハワイ州マウイ島の森林火災で、確認された死者が13日までに93人に上った。同国の火災としては過去100年で最悪のものとなった。火災では、歴史的な町ラハイナが焼き尽くされた。現地では遺体の身元確認作業が続くほか、数百人が行方不明となっている。
ラハイナの町が炎に包まれた際、火から逃れるために大勢が海へ飛び込んだ。マウイ島に住む女性はBBCのソフィー・ロング記者に対して「島に残る観光客の中には、まるで何事もなかったかのように観光を続ける人たちがいる」と批判。「私たちの仲間が3日前に死んだばかりの同じ海の中で、その翌日に旅行者が、観光客が泳いでいた。その人たちの心と気持ちがいまどういう状態にあって、私たちの心と気持ちがいまどうなっているか、そのことからもよくわかると思う」と述べた。
この女性は、現在のような悲劇的な状況で「泳いだり、素潜りしたり、波乗り」するようなハワイの人間はいないと強調。「この悲劇の中で楽しく遊んで、何事もなかったのように普段通りの生活を続けている人などいない」と話した。「今では、二つのハワイがある。私たちが暮らすハワイと、そういう人たちがいる、そういう人たちが訪れているハワイだ」。
≪被災地に寄り添う/アロハとマハロを(互譲を)忘れずに≫
2【ハワイ出身スター俳優モモアさん、今のマウイに「観光で行かないで」】
BBCニュース2023/08/14付
米ハワイ州マウイ島が大規模な山火事の被害に見舞われたことを受けて、同州出身の人気俳優のジェイソン・モモアさん(44)は、今のマウイは「バカンスで行く場所じゃない」とインスタグラムで訴えかけた。一方、地元住民は、悲劇の真っただ中で複数の観光客が何事もなかったかのように遊んでいると批判している。
映画「アクアマン」などの役で人気のモモアさんは12日、インスタグラムで、「マウイに旅行で行かないで」と題した動画と共に、「マウイはいま観光で行く場所じゃない。マウイに旅行しないで。いま深く苦しんでいる島に、あなたの存在が必要だなんて思いこまないで」と呼びかけた。続けてモモアさんは、「寄付してくれて、この大変な時にコミュニティーにアロハ(愛情や思いやり)を示してくれた全員に、マハロ(ありがとう)」と書いた。モモアさんはさらに、ハワイの地域社会は「傷をいやし、悲しみ、回復するための時間が必要だ」と書き、「それには、非常に乏しくなってしまった生活必需品を消費する旅行客が少ない方がいい」とも指摘した。
ハワイ州によると13日までに確認された死者数は93人に上る。ハワイ州のジョシュ・グリーン知事は12日、死者数は「大幅に」増える恐れがあると話した。こうした状況の中、マウイ島の住民らは、島のビーチで観光客が海水浴を楽しむ光景にぞっとしていると口々に話している。マウイ島に住む女性はBBCの取材に対し、「私たちの仲間が3日前に死んだばかりの同じ海の中で、その翌日に旅行者が、観光客が泳いでいた。その人たちの心と気持ちが今どうなっていて、私たちの心と気持ちが今どうなっているか、そのことからもよくわかると思う」と述べた。この女性は、現在のような悲劇的な状況で「泳いだり、素潜りしたり、波乗り」するようなハワイの人間はいないと強調。「この悲劇の中で楽しく遊んで、何事もなかったのように普段通りの生活を続けている人など住民にはいない」と話した。「今では、二つのハワイがある。私たちが暮らすハワイと、そういう人たちがいる、そういう人たちが訪れているハワイだ」。
地元当局は、不要不急の旅行でマウイ島を訪れている観光客には島を離れるよう要請しており、マウイ島への観光旅行を予定している人には中止するよう求めている。ただし、観光収入の減少はハワイ経済に大きな打撃を与えることになる。ハワイ観光局(HTA)の2019年統計では、民間資本の収入源としては観光業が最大だった。同年にハワイ州を訪れた旅行者1040万人が州内で使った金額は180億ドル(約2兆6000億円)に上り、そのうち3割がマウイ島で使われた。マウイ経済開発委員会は、観光の経済効果をさらに大きく計算しており、マウイ島内で発生する収入の約80%が直接・間接的に、観光に由来しているとしている。
8日に始まった森林火災は、乾燥した空気と近くを通過するハリケーンの強風にあおられ、燃え広がった。今ではほとんどが鎮圧されているものの、マウイ島の各地で完全に鎮火するための消火活動は続いている。アメリカで記録されている山火事としては、2018年にカリフォルニア州で少なくとも85人が死亡した「キャンプ・ファイア」火災がこれまで最悪とされてきたが、今回の火災の死者数はそれを上回る規模となった。
(ユーザーのコメント)
[1]寄付への感謝と、デリカシーについて伝えたいということですね。日本も震災や災害時、さまざまな思惑が交錯し、多くが苛(さいな)みました。被災地への千羽鶴問題もニュースになったりしてました。自分に何ができるか、逆に何をしないほうがいいのか、その時その時で冷静に考える必要があるかもしれません。
[2]現地が混乱しているうちは、確かに配慮、遠慮が必要。被災地や被災者の近くに、これ見よがしに観光に行くような人は神経を疑う。ただし、島内でも被災地以外では観光で生計を立てている人もいるだろうし、混乱がある程度収まったら経済を回し自力で再建するお手伝いする意味での観光はありだろう。東日本大震災の時にも言われたことだ。タイミングが難しいけどね。時が来たら、現地の方から「来て」と声をあげて欲しい。
[3]私はアメリカ在住で今週マウイ島に旅行に行く予定でした。山火事報道で行くかどうか悩み、現地からの情報も乏しい…Airbnbの人やレンタカー会社の人からは「ラハイナエリアに行かなければ問題ない」と言われ続けました。復興にはお金が必要だろうから、私達が行ってお土産を買ったら外食して手助けが出来ればと、行っても問題ないのであれば決行しようと思っていた矢先、飲料水不足との情報が入ったので現地のスーパーを適当に選び電話確認した所、現在救援物資として水を出しているから販売分はないと言われました。復興の役に少しお手伝い出来ればと思ったけど、逆に本当に必要な人達の大切な水や食料を奪ってしまってはいけないと今回の旅行は断念しました。
[4]島民の事を考えれば入国規制して観光客を一時的にストップするとかが必要なのかもしれない。けど、失ったものを復興するためにはお金が必要なのも事実であり、ハワイでは観光客がその解決方法の最適解なのも事実。バカンスで訪れた人達に「哀悼のために海水浴は自粛しなさい」なんて言うのは無理な話。ただ、悲しい現実がそこにある事を観光客も理解した上で行く必要はあると思う。
[5]気持ちは解るよ。凄く。自分も大切な仲間を亡くした時に「なんで世の中は普通に動いてんだろ」って今思えば当たり前なんだけどそう思った事はあるよ。でも。観光客に云々当たるのはやはり違うよ。だって今もウクライナで戦争や日本が東日本大震災で甚大な被害を被った時に何か違う日を過ごした?天災は誰が悪い訳では無いし、気持ちも凄く解るんだよ。一日でも早くまたあの綺麗な風景を。新婚旅行でマウイに行ったから。
≪日銀・財務省の次なる一手は/1ドル150円はすぐそこまで迫る≫
【円下落、一時145円台/約1カ月半ぶり安値(11日午後)】2023/08/13
時事通信2023/08/12付(一部補足)
週末11日午後のニューヨーク外国為替市場では、米長期金利の上昇を背景に円売り・ドル買いが強まり、円相場は一時6月末以来、1カ月半ぶりに1ドル=145円台に下落した。午後1時50分現在は144円90銭~145円00銭と、前日午後5時(144円72~82銭)比18銭の円安・ドル高。(アメリカの長期金利が上昇し、大規模な金融緩和を続ける日本との金利差が拡大するとの見方から、金利の高いドルで資金を運用しようと円売り・ドル買いの動きが強まった)。
米労働省が朝方発表した7月の卸売物価指数(PPI)は、前年同月比0.8%上昇、変動の激しいエネルギーと食料品を除いたコア指数は2.4%上昇となり、いずれも市場予想を上回った。前日の消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回る伸びとなりインフレ圧力の鈍化傾向が示されていたが、この日のPPIで改めて根強いインフレ圧力が示唆された形。これを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ打ち止め観測が後退し、発表後、市場は円売り・ドル買いで反応。午後にかけても米長期金利の上昇を背景に円売りが進行している。なおユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0940~0950ドル(前日午後5時は1.0976~0986ドル)、対円では同158円60~70銭(同158円89~99銭)と、29銭の円高・ユーロ安。
(金融アナリストのコメント)
10日に発表された7月の米消費者物価指数は前年同月比3.2%上昇と市場予想の同3.3%は下回ったものの、6月の3.0%からは伸びが加速していた。10日の米長期金利は4.11%と前日の4.01%から上昇。この日の米30年国債の入札が低調な結果となったことも米債安に影響したが、消費者物価の高止まりも意識されていたとみられる。そして11日に発表された7月の米卸売物価指数(PPI)が前年同月比で0.8%上昇と13か月ぶりに伸びが加速したことで、あらためて米国での物価の高止まりが認識された。11日の米長期金利は4.15%に上昇し、これを受けて、ドル円が一時145円台を付けていた面もある。ただし、日銀がYCCの修正で時間稼ぎをするなど日銀の超緩和策の修正は先送りしようとの姿勢も見え隠れしており、円売りドル買いが仕掛けやすい側面も当然ある。
(ユーザーのコメント)
[1]為替の金利幅の関係で円安が進んでいるので、日本の国力とは関係ない円安とはいえ、輸入品が倍の値段になっていくということは、国力の低い発展途上国のように輸入品イコール贅沢品で日本が貧乏になったってことだ。いつか近い将来に外国人専用のレストランができて、輸入品で作られた食材を食べるインバウンドをうらやましそうに見ながら、レストランに行くことができず半分の大きさになったコンビニのおにぎりを一日一食だけ食べる日本人が出ないことを祈る。
[2]テクニカル的には145円を突破されると150円はあっという間。150円付近のダブルトップで落ちてくるか。個人的には円安は150円あたりで打ち止めで円高に流れてくると思いますが、果たして…150円を突破されると160円まで抵抗帯はありません。その次は180円。すさまじい勢いで円安が進行する可能性があります。
[3]日銀は金利を上げる気なし、日本政府は国民を豊かにする気なし。日本の統治機構が「日本売り」だから円安はごく自然な現象ですね。日銀が金利を少し上げたら誰が困るかというと国民ではないと思います。ローンや融資を抱える人や企業の利息支払い額は0.1%~0.25%ぐらいの公定金利変動なら大した増額にはならず、円は「異次元の緩和終了」(のサプライズで)大きく上げ、輸入物価はガソリンも含め、かなり下がるからです。金利が上がると一番困るのは、国債金利が上がって支払いが増える政府。そしてその国債をこれまで爆買いしてきた日銀です。過去に買った分より国債価格が下がり、含み損を抱えるからです。メガバンクや地銀も含み損が膨らみます。つまり、日銀は政府と自分と、お友達である金融機関を守るために金利を上げる気がないのです。通貨の番人でも物価の番人でもありません。自分とお友達の番人です。
[4]為替は常に波を作っているので上昇、下落を繰り返す。しかし今起こっている円安は安値を常に切り上げながらどんどんドル高円安方向に進んでいる。日銀が金融緩和(国債買い)をやめれば金利が上昇し莫大な債務超過に陥る。市場の50%を支配している買い手が購入をやめると宣言すれば国債価格は暴落し金利が跳ね上がる。支払い利息が日銀の収益を全て丸呑みし莫大な債務超過に陥る。黒田前総裁も「一時的な債務超過はあり得る」と発言したが、一時的であることを強調した。慢性的に改善しない債務超過などと述べれば円は国際的な信用を失い暴落することを知っていたからだ。加えて金利上昇を許容すればSVBと同じ状況に陥る邦銀がいくつも存在する。日銀と日本政府は既に詰んでいる。
(私から補足/出るか政府と日銀のイリュージョン)
先月末のYCC修正で日銀はサプライズを防止し、急激な円高に進むのを食い止めましたが(日銀の魔法と内外から賞賛されました)、それからわずか2週間で円安が急激に進行し、ついに週末1ドル145円に到達しました(手品とバレてしまった?)。コメント[2]にあるように150円も完全に視野に入っています。政府・日銀はどうこの難局を乗り越えるのか、私も興味があります。政府(財務省)が為替介入を行ってもそれ単体では数日の時間稼ぎにしかならないので行わず、日銀から円高トレンドになるような情報(たとえば次回マイナス金利の停止を行う)を日経にリークするのではないか(為替介入とのコンボもあるかも…)と私は予想(期待)しています。
≪韓国の大失敗/明日は我が身≫
1【汚れたトイレ、食事不足/韓国のスカウトジャンボリーがカオスになるまで】2023/08/12
ロイター2023/08/10付
溢れかえるゴミ箱、汚れたトイレ、虫だらけの会場――韓国で8月1日から12日まで開催中の「世界スカウトジャンボリー」で、約4万人の10代のスカウトたちを苦しめたのがこの環境だ。主催者は問題解決のため奔走したが、台風の接近により全員がキャンプ場から避難せざるを得なくなった。この混乱はなぜ起きたのか。
韓国南部で開催中の世界スカウトジャンボリーでは、4万人以上のティーンエイジャーが「間違いの喜劇」に悩まされた。灼熱の気温、溢れかえるゴミ、不潔なトイレ、虫だらけの野原――。だが結局、台風接近により全員がキャンプ地から避難することに。ジャンボリーの計画書によると、熱波と台風という問題がなくても、主催者の準備が不十分だったこと、(各界からの)警告を無視していたことが判明した。キャンプ場を後にしたスカウトらは別の都市や活動に移った。たとえば、コスタリカの派遣団はK-POPのダンスを習うことになった。コスタリカのジョンソン隊長「隊員らは当初、少し悲しかった。セマングムで他の国々の参加者と楽しい時間を過ごしていたからだ。だが、このソウルでプログラムを続けられることを本当に喜んでいた」。現地報道によると、スイス派遣団のバスが避難中に衝突事故。隊員3人と、路線バスの乗客5人が負傷し、病院に搬送されたという。
今回は、パンデミック発生後初の世界的なスカウトの集会であり、155カ国の代表が参加した。隊員らは最高気温34度の中で到着したが、数百人が熱中症や虫刺されなどで体調を崩した。主催者は追加の医療スタッフ、物資、給水車を送り込んだ。英国派遣団の責任者マット・ハイド氏はロイターに対し、トイレが掃除されておらず、ゴミが山積みになっており、隊員らが十分な食事を取れなかったため、撤収を決めたと語った。「隊員には、普通のジャンボリーを体験してもらいたかった。私たちから見れば、隊員にとって安全とは言えなかった」。
主催者は、清掃スタッフの数を70人から540人に増やしたという。セマングム開発機関の関係者は、イベントの準備に関わる人が多すぎ、衛生管理などの重要な面で「未熟な管理」が行われ、問題の解決が遅れたとの見方を示した。公開されている政府報告書をロイターが確認したところ、韓国がジャンボリー招致を勝ち取った2017年の時点で、干潟を埋め立てたキャンプ場には問題が指摘されていた。
≪韓国の報道各社は「日本は少ない予算で大成功だったのに」「委員が税金で観光旅行した」と自国の組織委を非難≫
2【100億円使ってこのありさま…韓国開催「世界スカウトジャンボリー」使途を徹底究明せよ】
朝鮮日報2023/08/08付
準備不足とずさんな運営で問題が多発しているボーイスカウト・ガールスカウトの祭典「第25回世界スカウトジャンボリー」(全羅北道扶安郡セマングム)。このジャンボリーにかかった予算は1171億ウォン(約127億円)だという。同じく猛暑の干拓地で開催されたが成功した「第23回世界スカウトジャンボリー」(2015年、日本・山口県)の予算は380億ウォン(約41億円)だった。3倍以上の金額を使ったセマングムのジャンボリーで不十分なシャワー施設や汚いトイレなど基本的な衛生問題が浮上、1000人以上も続出した体調不良者は医療スタッフ・病床不足で放置された。1000億ウォン(約108億円)を上回る金額が一体どこに使われたのか、問いたださずにはいられない。
組織委員会が明らかにした内訳によると、キャンプ地の造成にかかった資金は130億ウォン(約14億円)だという。上下水道など基盤施設造成に205億ウォン(約22億円)、強制排水施設に30億ウォン(約3億円)など、間接費用まで合わせれば395億ウォン(約43億円)に達する。組織委員会はこの他にも給食・食堂運営に121億ウォン(約13億円)、日よけ幕購入に5億4000万ウォン(約6000万円)、防疫施設完備と虫よけ剤に7億6000万ウォン(約8300万円)、糞尿処理施設・その他に11億ウォン(約1億2000万円)など、656億ウォン(約7億2000万円)を追加で使ったという使用内訳を公開した。それでも参加者たちは水たまりにテントを張り、カビが生えたゆで卵を食事として受け取った。資金がきちんと使われていなかったということだ。
全羅北道など主催者側は2017年のジャンボリー招致以降、予算拡大を一貫して要求してきた。その結果、招致当時491億ウォン(約53億円)だった総事業費が2倍以上も増えた。ジャンボリー事務局組織委は各種実務チームだけで30チームあり、総人員数は117人に達する。これに政府支援委員会(30人)、実務委員会(19人)、組織委員会(152人)、執行委員会(21人)などまで加わり、肥大化した行政組織となった。これを維持するだけでも84億ウォン(約9億円)が追加でかかったという。だが、この組織が正常に機能していたかどうかは疑わしい。
全羅北道庁関係者5人は2018年5月「世界スカウトジャンボリー成功開催事例調査」を名目にスイスとイタリアに6泊8日間の出張をした。ところが、この2国は世界スカウトジャンボリーを開催した経験がなかった。このほかにも「オーストラリア・スカウト連盟訪問」「米国で開かれる第24回世界スカウトジャンボリーの視察」など、観光旅行と疑われるような海外出張が相次いだ。セマングムでのジャンボリー予算1171億ウォン(約127億円)の中には国費302億ウォン(約33億円)と地方費418億ウォン(約45億円)など、税金が720億ウォン(約78億円)投入された。納税者にはこの金額がどのように使われたかを知る権利がある。国会であれ監査院であれ、使途を徹底的に究明しなければならない。
(ユーザーのコメント/一部補足)
[1]日本も万博などの開催を控えて韓国の出来事を他人事に出来ないけど、とにかく主催者の判断が遅かった印象。不衛生で水分や食料などの供給や暑さ対策が不十分と日本(等海外メディア)でも報道されてもジャンボリーは続行、さらに体調不良の参加者が大勢出ても続行。参加国が(これ以上ここに居られないと)避難し始めた頃に台風が接近してやっと中止。参加した少年少女とスタッフ含めて東京ドームの収容人数程もいる人たちを、なぜ会場に足止めさせたのか?4〜5万人ならその気になれば安全な宿泊施設などに分散させて避難できたはず。開催国として体裁を気にして中止にできなかったのか?万博などの大きなイベントの時に日本は体裁より参加者の事を思って迅速に判断できるのか不安になってくる。
[2]かつてロンドンで開催された世界ジャンボリーに息子を参加させましたが、帰国後に大会の様子を聞いたところ、悪天候などなかったにもかかわらず、カリキュラムの半分程度しか実施されなかったとか。楽しみにしていた地元の家と交流するホームステイも手違いで出来なかったようです。ちなみに参加費は保護者の負担が一人50万くらいだったかと思います。この時、日本ボーイスカウト連盟のあり方に不信感がわきました。今回主催者側に矛先が向けられてますが、参加者側もボーイスカウト活動の主旨を初心に返って見つめ直す必要があるのではないでしょうか。
[3]忍耐を学びに来ていると言う人がいるが、サバイバルキャンプではない。みんなでキャンプをしながら各国のメンバーと交流するために来ている。国によっては二人で一つのテントとか。各種プログラムは予め用意されて危険なこともしない。環境も整えられていて一部を除いて食事や食材も事前に用意され、衛生設備も入浴施設も整えられている。今回はその多くに破綻を来たしているのが問題とされた。比較的裕福な階層の子供達がやってきているので、当然各国大使館は、子供達の衛生環境の不備には非常に強い関心を持つ。日本開催でも、帰国後集団で病気になった人がいて問題となった。日本で感染したのではないという結論で収まったはずだが。それほど衛生や病気には神経質。結局、全羅北道と前政権のいい加減さ、政治利用が招いた結果と言える。
(私から補足/集団指導は責任が分散するので上手くいかない)
隣国はなぜ今回「失敗」したのか。私には「船頭多くして船山に上る」という諺がまず浮かびました。韓国の組織委にはすべてを差配し、何かあれば全責任を負うリーダーが居らず、代わりに様々な思惑を持った大勢の者(中には税金を食い物にせんと計る邪な者も居たでしょう)が割拠して、集団指導という名の暗礁に乗り上げたのではないかと思います。日本もこれから大きな国際イベントが控えます。同じ轍を踏まぬよう「隣国の失敗」を分析してほしいと思います。
愛知県大府市共和町3-1-6
9:00-17:00 (土日祝定休)